平成222010)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

22−共研−2003

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

バイオロギングデータに基づく猛禽類行動モデリング

フリガナ

代表者氏名

エノモト ヒロユキ

榎本 浩之

ローマ字

Enomoto Hiroyuki

所属機関

北見工業大学

所属部局

社会環境工学科

職  名

教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

装着型の発信機や記録機によって野外で活動する動物の位置や行動を調べる手法(バイオロギング)の技術が急速に発展し、動物行動研究で扱えるデータの幅が格段に広がった。特に加速度を1秒以下の微細な時間スケールで計測する技術は、これまで困難であった海洋動物や鳥類の歩行・飛翔・着水・飛び立ち等の行動内容を膨大な時系列情報から抽出する事を可能にした。これは陸鳥類においても当然応用が可能で、特に数キロの体サイズを有する大型猛禽類にとって計器類の装着に特に問題はない。野外で活動するする大型猛禽類に発信機や記録機を装着する場合には捕獲が必要であるが、効率よく捕獲する技術が未開発であった。
そこで、本研究では陸鳥類の行動判別技術の開発を目的とし、大型猛禽類を対象とした場合の可能性を主にハードウェア−開発を行って検討した。
加速度センサーとGPSを搭載し、設定時間後に鳥の体から落下して回収できる装着回収ユニットを新規に開発した。さらに、従来の大型網を用いた捕獲方法に比べて、軽量・小型で可搬性に優れ、さらにマイナス20℃以下の寒冷条件でも遠隔操作で捕獲できるシステムを開発した。実際に鳥を用いて試験した結果、体を傷つけることなく脚のみを固定することができた。これによって、捕獲が難しいとされてきた警戒心の強い大型猛禽類を捕獲し、体に計測機を装着して加速度等の行動判別に利用できる情報を得られると期待される。今後は野外において複数個体を捕獲して加速度や位置データを収集し、未開発部分であるデータのモデリングに関して開発を進める予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

K. Matsumoto, M. Kaeriyama, K. Saitoh, K. Shimatani, and H. Enomoto (2010) A new system for monitoring the marine ecology in the sea-ice edge region by sea eagles equipped with data loggers. Proceedings of the 25th international symposium on Okhotsk sea and sea ice: 44-46.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

島谷 健一郎

統計数理研究所

松本 経

北見工業大学