平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−58

専門分類

7

研究課題名

疫学研究におけるリスク評価のためのプログラム・システムの開発

フリガナ

代表者氏名

タカギ ヒロフミ

高木 廣文

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

疫学研究では、特定の疾病に対する要因の影響を適切に評価する必要がある。層別化した分割表からリスク比、リスク差、オッズ比などを求めることは、疫学研究の基本的な方法の一つである。しかしそのためのプログラム・システムの開発は不十分である。本研究では各種のリスク評価の方法を検討し、実用的なプログラム・システムを構築することを目的とする。


疫学研究で有用なデータ解析の方法を,簡便に行うためのプログラム・システムの開発を本年度も継続的に行った。特に本年度はインターネット上で簡単に統計解析が行えるようなシステムの開発に重点を置いた。ホームページ上にJavaScript言語を用いて,これまで開発した統計プログラムを移植し,簡便に利用できるようにインターフェイスを工夫した。
本年度開発したプログラムとして,各種分布の上側もしくは両側確率の計算,基礎統計の計算,単相関係数の計算と検定・信頼区間の推定,順位相関係数の計算,母平均値に関するいくつかの検定と信頼区間の推定,クロス集計に関する検定,順位和に関するいくつかの検定,などがある。これらは,誰でも利用可能であり,統計教育に有用なものと考えられる。
さらに,今後,とくに多変量解析の手法を追加していくために,入力データを用いて,相関係数行列を計算できるようにした。さらに,多変量解析では,行列の固有値,固有ベクトルの計算,また逆行列の計算が頻繁に必要となるため,これもJavaScriptを用いて記述し,今後の利用に供せるように整備した。
今後は,インターネットの利用の統計教育にも有用なように,解説等も分析方法の整備とともに行う予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

これまで、層別四分表に関する共通オッズ比の近似的な推定方法、および正確な推定方法に関するプログラムを開発し、それらの信頼区間を構成するためのプログラムシステムなどを作成した。また、条件付きロジステッィク・モデルによるリスク評価のためのプログラムも整備した。さらに、グラフィックスによるデータ解析を容易にするためのツールも開発し、尺度構成のための信頼性分析のプログラムも追加した。これまで、リスク評価に関連する統計学的な手法の基礎的な開発・研究を行い、マン−マシンインターフェイスを考慮した、データ解析のためのシステムを構築するための基礎的な研究を行った。さらに、Windows環境下で簡単に動作し、実際の大規模データの解析、および教育用 にも適したソフトの開発を継続して行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐伯 圭一郎

大分県立看護科学大学

佐藤 俊哉

統計数理研究所

中井 里史

横浜国立大学