平成292017)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

29−共研−1009

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

3

研究課題名

全ゲノムデータと様々な臨床情報の総合的統計遺伝解析

フリガナ

代表者氏名

ウエキ マサオ

植木 優夫

ローマ字

Ueki Masao

所属機関

理化学研究所

所属部局

革新知能統合研究センター

職  名

研究員

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

昨今のゲノム医学研究において、大規模集団コホートを用いた研究が盛んに行われている。
全ゲノムデータと多数の臨床情報が測定された大規模なデータであり、有益な情報を含むことが期待される。
一方、データは非常に高次元かつ複雑であるのに対して、現行の標準的な統計遺伝学手法は過度に単純であることから、重要な情報を見逃す懸念がある。
例えば、ゲノムワイド関連研究(GWAS)では、ひとつの形質と一塩基多型(SNP)をひとつづつ一変量回帰に当てはめ、回帰係数の検定によって検査する単純な方法が標準となっている。複数SNPの総合的解析、多数の形質または経時的変化を伴う形質データの統計解析法については、整備が不十分である。さらには、遺伝子と環境の相互作用、遺伝子間相互作用などの解析においても適切な統計手法が見出されていない。近年はよりデータが高次元化する傾向にあり、網羅的な解析のために統計手法の高速化も必要である。データが超高次元であることから、計算量を削減しつつ高い検出力を有する手法が好ましい。尤度比検定やWald検定に比べて、スコア検定は推定量を求める際の計算負荷が低いメリットがあり、遺伝統計分析でよく使われる手法である。本研究では、スコア検定統計量が偏相関係数として解釈できることを見出し、Fisher変換によって検出力を高める方法を開発した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Ueki M. Enhancing power of score tests for regression models via Fisher transformation.
J Jpn Comp Statist, In press.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

川崎 能典

統計数理研究所

櫻井 利恵子

久留米大学大学院

佐藤 俊太朗

久留米大学大学院