平成282016)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

28−共研−4204

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

3

研究課題名

ライフコース疫学における因果推論のための生物統計学的手法の研究

重点テーマ

次世代への健康科学

フリガナ

代表者氏名

タケウチ アヤノ

竹内 文乃

ローマ字

Takeuchi Ayano

所属機関

慶應義塾大学

所属部局

医学部

職  名

講師

配分経費

研究費

40千円

旅 費

53千円

研究参加者数

4 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究課題では主に社会疫学領域で提唱されてきたライフコース疫学の概念を健
康科学・疫学領域に適用するべく方法論の整理および疫学データへの適用可能性を模索し,必要に応じて方法論の拡張を実施し,申請によって利用可能な出生コホート研究(妊娠期の女性を対象とし,生まれた子どもの健康状態を追跡するコホート研究)への方法論の適用による具体的なリスク評価を行うことを目的としていた.
古典的なコホート研究(疫学研究)では,リクルート時点での対象者の健康状態を原因とし,その後対象者を追跡することで結果となる疾患発症を捉えていくが災害などの特殊な状況をリスク因子とする場合を除いては,人々の健康を脅かすリスク因子は,慢性的に生活の中に存在し,健康への影響も慢性的・累積的である場合が多いと考えられる.実際,生活習慣病に起因する慢性疾患などを評価するためには過去の1時点の生活習慣だけを原因とするだけでは不十分と考えられるし,結果とする対象疾患が子どもの成長発達などの場合には,原因への経時的な曝露を評価する必要があったり,途中段階の成長発達過程が次の時点の曝露に影響を与えるなど原因と結果が相互に絡み合ったりする可能性があり,本研究課題はこのような状況への統計モデルの適用を目指した.
本研究の結果,出生コホートにおける研究仮説を因果パス図の形で表記し,条件付モデル,周辺モデルおよびtrajectory解析によって古典的回帰モデルの枠組みを離れたライフコース疫学アプローチによるデータ解析および結果の考察が可能となった.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

計量生物学会年会(2017年3月16日‐17日,中央大学後楽園キャンパス,東京),特別セッション「疫学と生物統計学との協働」において研究責任者竹内がオーガナイザーとなり,分担研究者大庭が「ライフコース疫学(小児,産婦人科分野)」として発表を行った.
http://biometrics.gr.jp/annualmtg_2016/index.html
http://biometrics.gr.jp/annualmtg_2016/program.html
http://www.biometrics.gr.jp/

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

個別の研究会等は開催していない

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

和泉 志津恵

滋賀大学

大庭 真梨

東邦大学