平成212009)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

21−共研−5

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

2

研究課題名

適応型提案分布によるGARCHモデルのベイズ推定

フリガナ

代表者氏名

タカイシ テツヤ

高石 哲弥

ローマ字

TAKAISHI TETSUYA

所属機関

広島経済大学

所属部局

経済学部教養教育

職  名

教授

 

 

研究目的と成果の概要

GARCHモデルにおけるベイズ推定は、マルコフ連鎖モンテカルロ法によって実行されるが、マルコフ連鎖モンテカルロ法の実行方法には任意性がある。効率的な方法によってマルコフ連鎖モンテカルロ法を実行すれば、データの統計誤差を小さくすることができる。本研究では、Metropolis-Hastings法における提案分布として、スチューデント分布を用い、分布の形を決めパラメータはシミュレーションを実行しながら事後分布にマッチするように決めてゆく。そして、この方法をGARCHモデルに用いた時の有効性を調べる。本研究では標準GARCHモデルに加え、QGARCHとGJR-GARCHモデルを利用した。実際に、マルコフ連鎖モンテカルロ法がうまくいっていることを確かめるため、予めパラメータ値が分かっている人工データを用いた。その結果、ここで用いたすべてのモデルにおいて本研究での方法がうまくいっていることが確かめられた。また、Metropolis-Hastings法における採択率は70%程度であり、十分高い採択率が得られている。また、生成されたデータ間の相関時間を測定すると非常に小さな値(3−5程度)になり、非常に効率の良い方法であることが判明した。