平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−78

専門分類

7

研究課題名

肥満における生活習慣要因の検討

フリガナ

代表者氏名

トヨカワ ヒロユキ

豊川 裕之

ローマ字

所属機関

東邦大学

所属部局

医学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

いわゆる成人病が生活習慣病という名称に変更になり、疾病の要因としての生活習慣に対する関心が高まっている。申請者らが研究を続けている肥満も生活習慣病の一種であり、疾病における生活習慣の影響は小さくない。そうした点を踏まえ、本研究では肥満に及ぼす生活習慣要因の程度を明らかにし、肥満予防および肥満解消のための一助とすることを目的としている。


1. 肥満度評価法の検討
より正確な肥満度を簡便に求めることを目的として、現在肥満度の標準的測定法とされている水中体重法(体密度法)により測定される水中体重を、身体計測値および皮下脂肪厚より推定することを試みた。
これにより、被験者を水に潜らせることなしに水中体重を得ることが可能となった。また、現在問題になっている除脂肪組織と脂肪組織の密度の個人差の問題についても、対応することが可能となった。
さらに得られた推定式は、決定係数76.3〜77.1と高く、有用性が認められた。
2. 生活習慣と肥満度との関連
生活習慣病の一要因である肥満について、その成因に関連する生活習慣を明らかにすることを目的として、長野県上伊那郡の一山村の住民と、都内の健康保険組合の組合員を対象として、肥満度調査としての皮下脂肪厚測定と生活習慣・食習慣についての質問調査を実施した。
肥満度の増大に強く係わっていた項目としては、生活時間が不規則、欠食が多い、間食・夜食を摂る、1日当たりの歩数が5,000未満、外食が多い、外で飲酒する事が多い、両親・兄弟等に肥満者がいる、検診を毎年受診しないなどであり、逆に肥満度の減少に強く係わっていた項目としては、自分の検査結果を知っている、検診を毎年受診する様にしている、休日にはハイキング等に行くなどであり、健康に対する意識が高く、積極的な者ほど肥満度が低い傾向が認められた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

加藤知己, 西川浩昭, 高柳満喜子, 城川美佳: 水中体重推定式を用いた体脂肪率評価に関する検討. 学校保健研究 39(1):21〜31, 1997.


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

長野県の一山村をフィールドとし、自治体の協力の下、性、年齢を考慮してマスター・サンプルを選び出す。選び出された者を対象として、身体測定、問診(平成9年7月)を行い、重篤な疾患およびその既往歴などを有さず、研究に対しての参加の承諾が得られた者(約300名)を研究対象とする。これらの対象について健康診断、皮下脂肪測定、生活習慣についての質問票調査等を行う(平成9年9月)。皮下脂肪厚により判定された肥満状況と、食物摂取状況、生活活動、運動習慣、労働状況等の生活習慣に関する変数との関連を明らかにする。また、多重ロジスティックモデル解析、数量化理論などの多変量解析の手法をも用いて、肥満に影響を及ぼす要因について多面的に検討を試みる。このような解析を行う際に、統計分析の専門家である統計数理研究所スタッフとの協力は不可欠である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

城川 美佳

東邦大学

駒澤 勉

統計数理研究所

高柳 満喜子

東邦大学

中谷 弥栄子

東邦大学

西川 浩昭

筑波大学

松井 研一

東邦大学