平成272015)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

27−共研−1027

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

台風発生種サンプリング手法の開発2

フリガナ

代表者氏名

スズキ カズエ

鈴木 香寿恵

ローマ字

Suzuki Kazue

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ同化研究開発センター

職  名

特任研究員

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 気候モデルのバイアス補正も行うことの可能な台風発生種のサンプリング手法の開発を行うことを目的とし、将来気候の予測値を入力とした経路推定モデルによる台風経路の比較を行う予定であった。
 まずグリッドごとの台風発生確率分布を用いた発生種モデルの開発を試みたが、観測データからランダムサンプリングした結果と比較すると、後者の方が生成された台風経路の精度がよいことがわかった。この手法についての検討を12月に行われた研究打合せでも行ったが、今後は他の手法(例えばカーネル密度推定)を用いたモデルの開発を検討する方向となった。
 経路推定モデルはすでに開発済みであり、その経路推定モデルを用いて将来気候変動による変化量を各パラメーターの差分として推定し、観測データから得られるパラメーターに追加することで、将来気候下における台風経路の生成を試みた。同様に、発生種についても位置情報の変化量を観測から得られる台風種に付加することで対応した。すべての変化量を付加した場合に生成された台風経路が、他の条件のものよりも台風らしいふるまいをすることがわかった。この結果については、2016年5月に行われる日本気象学会春季大会にて口頭発表を行う予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文発表(査読有)
S. Nakano, K. Ito, K. Suzuki, and G. Ueno,
Decadal-scale meridional shift of the typhoon recurvature latitude over five decades,
Int. J. Climatol., in press (published online), doi:10.1002/joc.4595, 2016.

解説(査読無)
伊藤耕介, 2015: 台風予報の現状と見通し,海と安全(日本海難防止協会),49(3), 6-11.

学会発表
伊藤耕介: スーパーコンピュータがひらく台風予測の最先端, 沖縄地学会, 那覇, 2015年11月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

確率台風モデルに関する研究打合せ・2015年12月7日・琉球大学理学部・4名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 耕介

琉球大学

上野 玄太

統計数理研究所

中野 慎也

統計数理研究所