平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−12

専門分類

1

研究課題名

二部グラフ上のランダム・ウォークとエントロピー

フリガナ

代表者氏名

ヨシダ ヒロアキ

吉田 裕亮

ローマ字

所属機関

お茶の水女子大学

所属部局

理学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

二部グラフ上のランダム・ウォークに付随した確率空間を考える。ランダム・ウォークの経路にその経路が選ばれる確率で重みを付け、この帰納極限を考えることにより無限次元の対象が得られる。この非可換化を考え、部分空間に対応する対象のエントロピー的な性質を解析することを目的とする。


二部グラフ上のランダムウォークに付随した確率空間を考える。ランダムウォークの経路にその経路が選択される確率で重みを付ける。経路の長さを考え、経路を延長するという自然な埋め込みで帰納極限を考えることにより、無限次元の確率空間がえられる。この確率空間の非可換化を行い、適当な完備化を行うことにII1型の超有限作用素因子環がえられる。グラフの組を用意して同様のことを行い2つのII1型因子環とその部分環を構成し、その構造を調べることは重要な課題と考えられる。このときこれらの環の相対エントロピーや指数を計算を行いたいのであるが最初に用意すべきグラフの組がよい条件を満たしていなければならない。この条件は Commuting Square 条件と呼ばれるが、これは条件付き期待値の交換性の条件であるが、統計力学の格子模型の Boltzmann 荷重に類似した性質である。本研究ではこのような良い条件を満たすグラフの組を見つけることが、大きな問題である。今年度は等スペクトルグラフの組について調べた。さらに無限グラフとその上のランダムウォークを考え自由エントロピーという新しい非可換エントロピーとの関連に付いて調査した。来年度はこの件に関してさらに詳しい研究を行いたい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

昨年度に引き続いて、同一課題で共同研究を申請します。関連研究者が国内に散在しているので研究討議や研究動向の調査等を行うために、大学共同利用機関である統数研での共同研究として討議の場を確保したいと考えます。また、二部グラフは有限とは限らない場合を扱いたい。無限群(自由群)に付随したケーリ・グラフなどを対象とし、これはこのような群上のランダム・ウォークとも考えられ散散分布とも密接に関連している。来年度はこのような無限離散群とエントロピーの関連について調査研究を行いたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

市原 亮

奈良工業高等専門学校

岡崎 卓

統計数理研究所

梶原 毅

岡山大学

河上 哲

奈良教育大学

渚 勝

千葉大学