平成242012)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

24−共研−2095

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

6

研究課題名

シグナル性シンボルの循環とその生成メカニズムの社会科学分野に対する応用

フリガナ

代表者氏名

ツバキ ヒロエ

椿 広計

ローマ字

Tsubaki Hiroe

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

今西は、歴史年表などのテキストデータを基に、その循環的ダイナミズムを位数5の巡回群で記述する方式を提唱し、様々な文明の歴史の一つの解釈を与えた。この解釈自体は今西の主観に基づく1データに過ぎないが、多くの専門家がこの種の抽象度の高いシンボル列による歴史記述あるいはシナリオの記述を行う事で、専門家間の歴史解釈の相違が客観的に表現できるものと考える。大澤、椿は随時、今西の研究の問題などについて討論を行った。2013年1月には、嘉志摩佳久メルボルン大学心理学科教授(国際文化心理学会長)を2週間統計数理研究所に招聘し、社会心理学観点から今西氏の理論構成に対する批判的討論を行うと共に、研究集会を開催し、嘉志摩教授の提唱した文化の変容のモデルについての基礎的理解を深めると共に、大澤がその発見科学などへの応用を議論した。
 椿は、永井裕久教授、C.Benton教授など筑波大学の経営科学プロジェクトが提唱する、インシデントとその解決に起因する人の行動変容のダブルループモデル実証に関する国際調査データの分析を担当したこともあり、人材開発管理学の観点からも循環的構造を検討した。2012年10月に中間報告書を刊行するとともに、2013年1月に研究集会「文化に対応する科学」を開催した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

本研究の中間成果は、2012年10月に統計数理研究所共同研究レポート288「シグナル性シンボルの循環とその生成メカニズムの社会科学分野に対する応用(中間報告)」として発行した。
また、研究集会「文化に対応する科学」で下記の発表を行った。
今西 徹 (統計数理研究所共同利用研究員)
歴史的「世界」の構造分析
大澤幸生(東京大学大学院工学系研究科教授)
都合上のシナリオ生成〜コミュニケーションは本当に創造を促進するのか〜
グローバルリーダーシップのコンピテンシーに関するシミュレーション
筑波大学GHRDスタディユニット
永井裕久(筑波大学ビジネスサイエンス系教授)、
ベントン キャロライン(筑波大学ビジネスサイエンス系教授)、
木野泰伸(筑波大学ビジネスサイエンス系准教授)、
椿 広計(統計数理研究所データ科学研究系教授)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

文化に対応する科学・2013年1月18日・統計数理研究所セミナー室1・参加者数30名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

今西 徹

元三井物産

大澤 幸生

東京大学