平成15（2003）年度　一般研究２実施報告書

課題番号	15−共研−2022			専門分類		6
研究課題名	超大規模人工衛星データセットからの情報の組織的抽出･統合と可視化技術の応用(2)
フリガナ 代表者氏名	ヒグチ　トモユキ 樋口　知之			ローマ字		Higuchi Tomoyuki
所属機関	統計数理研究所
所属部局	予測制御研究系
職　　名	教授
所在地
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配分経費	研究費	0千円	旅　費		0千円		研究参加者数	9　人

研究目的と成果（経過）の概要

13年度までに超大量人工衛星シリーズ(DMSP-F7、13-16.毎秒値,磁場3成分)の約17年間のデ
ータ(容量は約40ギガバイト超)の全解析を終了し,地球大規模電流系に関する包括的な知識を集積
したファイル(我々はサマリーファイルと呼んでいる)を構成した。今回利用したデータセットは,13
年度解析を修了した人工衛星DMSPシリーズのF7,13,14,15,16の5つの人工衛星データセットにあわ
せて,九州大学が行っている地上磁場観測ネットワークデータ,及びUCLAが独自に展開集積している
地上磁場観測ネットワークデータである。データ自体は,共同研究機関の好意によって利用できた。各
データセットのフォーマット,数値データの表現方法などが違うため,データの読み込みなどに関する
技術的問題をまず克服した。次に行ったことは,人工衛星から得られた地球電流系に関する情報と,地
上磁場観測データからモデルを利用して推察した電流系に関する情報を有機的にまとめ上げた。適切な
処理法の探索と,効率的な可視化を研究した。
　最終的には,入力を太陽風データ,出力をこの可視化された地球電流系の2次元マップとする,Web
上でのシステムを構築した。つまり,各クラス化された諸々の太陽風データに対応して,一つ一つ地球
電流系の2次元マップをGifファイルとして作成し,入力データをインタラクティブに操作すると,Web
上に,それに対応するかのごとく地球電流系が図示化されるような環境を提供した。これは前々年度計
画した研究テーマの最終目的であるが,予想外に時間がかかったため今年度も引き続いて行った。昨年
度からスタートした地上磁場ネットワーク観測データ解析の結果を組み入れたことで,さらにこの研究
成果の有益性が増すものと期待している。
　今現在,さまざまな地球物理の新発見成果がまとまりつつあるので,複数の共同研究機関の研究者と
ともに今年度もこの研究テーマを継続している。また九州大学及びUCLAによって各々独自に展開され
ている地上磁場観測ネットワークで得られたデータを解析し,そこから得られる地球大規模電流系に関
する情報もサマリーファイルに統合することを企画した。地球電流系に関する情報をさらに組織的に統
合,最終的に理解しやすい形に可視化する予定である。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

論文
Ionospheric conductivity dependence of dayside region-0,1,and 2 field-aligned current
systems:Statistical study with DMSP-F7
K.Haraguchi,H.Kawano,K.Yumoto,S.Ohtani,T.Higuchi,and G.Ueno
Annales Geophysicae,(to appear),2004
学会発表
平成15年11月13日-15日
International Symposium on Information Science and Electrical Engineering 2003
K.Haraguchi*,H.Kawano,K.Yumoto,S.Ohtani,T.Higuchi
Characteristics of Field-Aligned Currents observed by the DMSP satellite
平成15年10月31-11月3日
地球電磁気・地球惑星圏学会(SGEPSS)
山下　哲*,上野　玄太,樋口　知之,大谷　晋一,家森　俊彦
極域昼側および夜側における正味の沿磁力線電流の存在と生成機構:DMSP衛星、Orsted観測磁
場データより
平成15年6月30日-7月11日
IUGG2003
K.Haraguchi*,H.Kawano,K.Yumoto,S.Ohtani,T.Higuchi,G.Ueno
Correlation between the ionospheric conductivity and dayside field-aligned current
intensity:Statistical study with DMSP-F7
G.Ueno*,T.Higuchi,S.Ohtani,P.T.Newell
Particle precipitation characteristics in the daysidefour-sheet field-aligned current
structure
平成15年5月26-29日
地球惑星科学関連学会2003年合同大会
原口　健太郎*,河野　英昭,湯元　清文,大谷　晋一,樋口　知之,上野　玄太
昼間側沿磁力線電流の電離層電気伝導度依存:DMSP-F7を用いた統計的解析
上野　玄太*,樋口　知之,大谷　晋一
Particle precipitation characteristics in the dayside four-sheet field-aligned current
structure
平成15年4月6-11日
EGS-AGU-EUG Joint Assembly
S.Yamashita*,S.Ohtani,G.Ueno,T.Higuchi and T.Iyemori
Day-night net field-aligned current system deduced from satellite data:storm time
field-aligned currents
研究成果公開のホームページを開設した
http://tswww.ism.ac.jp/higuchi/AIFAC/index.html

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
チーピージェイ	University of California, Los Angeles
上野　玄太	統計数理研究所
大谷　晋一	ジョンズホプキンス大学
河野　英昭	九州大学
原口　健太郎	九州大学
福山　恵子	九州大学
山口　類	九州大学
山下　哲	京都大学