平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−58

専門分類

7

研究課題名

アニマルモデルを用いた種畜評価手法についての研究

フリガナ

代表者氏名

ワダ ヤスヒコ

和田 康彦

ローマ字

所属機関

農林水産省畜産試験場

所属部局

育種部

職  名

主任研究官

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

混合線形モデルの1種であるアニマルモデルを用いてフィールドデータによる種畜の遺伝的能力評価を実施するに当っての統計学上および数値計算上の問題点を明らかにし,わが国の現状にマッチした種畜評価手法を確立することを目的とする。


農家サイドのフィールドデータを利用した肉用種雄牛の遺伝能力評価は今まではSire ModelかMGS Modelを用いて実施されてきた。最近、育種学的に見て雌牛の評価も可能であり人為選抜による影響に対してrobustだと思われる。Animal Modelを利用すべきだという声が強くなってきた。しかし、Animal Modelは他の2つのモデルと比較して推定すべきパラメータの数が極端の多いという難点を持っている。そこで、実際のフィールドデータに種々のモデルを当てはめてABICを算出してモデルの比較を試みた。
フィールドデータに記録されている8形質について、それぞれSire Model、MGS Model、Animal Modelの各々について9種のモデルを当てはめて、計27モデルについてABICを算出した。材料としてはS県で1988年度から1990年度にかけて生産された黒毛和種去勢牛947頭のデータを用いた。なお、分散成分の値は全国の黒毛和種去勢牛10328頭のデータをREML法で分析して得た推定値を用いた。
その結果、Animal Modelにおいては母数効果の組合せによってABICの値が大きく変化し、ときにはSire ModelやMGS Modelよりもはるかに大きな値となること、8形質中6形質でAnimal ModelでのABICの値がSire ModelとMGS Model でのABICの値よりも大きな値になることが示された。この結果より、Animal Modelの利用にあたっては事前に十分な統計学的な検討が必要であることが明らかとなった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

和田康彦・建部 晃・吉■ 努・山本幸造、黒毛和種の種畜評価におけるABICを用いたモデル選択、
第85回日本畜産学会大会、平成4年3月31日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

情報量統計学の観点からアニマルモデルを用いた種畜評価について見直しを行ない,わが国の現状にマッチしたモデル選択方法を確立する。そしてその手法に基づくプログラムを開発してフィールドデータの分析を行ない,最適なモデルを検索する。
統計数理研究所は情報量統計学を創始された研究所であり,現在でもこの分野のリーダーとして盛んに研究されているので,共同研究する意義は大きい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

柏木 宣久

統計数理研究所