平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−79

専門分類

7

研究課題名

水産資源学における資源量推定に関する研究

フリガナ

代表者氏名

キタカド トシヒデ 

北門 利英

ローマ字

所属機関

東京水産大学

所属部局

水産学部

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究では、水産資源学における魚類等の資源量の統計的推定を行う為の統計モデルの発展、および推定値に対する精度の検討等の基礎的研究を目的とする。より具体的には、種々の離散型分布におけるパラメータの推定という視点から接近することによって、水産資源解析における離散型分布の位置付けを明確にするとともに、分布型の発展、その下での推定方法についての研究を行う。


本研究では、水産資源学における魚類等の資源量の統計的推定を行う為の統計モデルの発展、および推定値に対する精度の検討等の基礎的研究を目的とした。
より具体的には、種々の離散型分布におけるパラメータの推定という視点から接近することによって、水産資源解析における離散型分布の位置付けについて考察するとともに、その下での推定方法についての研究を行った。
1)水産資源の分布状態を考慮した確率分布としてよく仮定される負の二項分布、Neyman Type A 分布、Polya-Aeplli 分布等に対して、存在確率の視点から共通の性質を見いだした。
この結果は山田ら(1998) で発表した。この事実を利用した統計的推測問題については今後の課題とした。
2)標識放流実験による資源量推定において、不完全報告により得られるデータの取り扱いについて考察した。特に本共同研究では、水産生物の集中による漁獲尾数のばらつきの大きさを考慮した場合の確率分布と推定について吟味し、考察の一部を北門・山田(1998)に述べた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

北門利英・山田作太郎、不完全報告を含む標識実験における推定問題について、日本水産学会誌、64巻4号、1998年(掲載予定)
山田作太郎・北田修一、生物資源統計学、成山堂書店、1998年6月28日
山田作太郎・北門利英・銭谷弘、存在確率から見た集中分布の特性について、平成10年度日本水産学会春季大会、1998年4月2日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

水産資源に限らず動物等の資源量推定の方法は、現在多岐にわたっている。これらの研究の多くはSeber(1982,1986,1992) によりまとめられている。この中で、基礎的な離散分布を仮定し、資源量を意味するパラメータの推定を扱う問題も多く取り上げられている。一方それとは独立した研究において、離散型分布のそのようなパラメータは推定が困難とされている状況も少なくない。そこで、本研究では比較的基礎的な統計モデルを仮定し、資源量の推定方法、推定値の安定性、そして精度等について考察する。このような基礎的なモデルを扱うことにより、そのモデルの下での推定の限界や、分布型の発展等の考察が容易になる。このような研究は、当研究所基礎系研究員との共同研究を行うことにより、理論的な視点から発展が期待される。また上記の考察において、解析的な手法だけでなくシミュレーションを行う必要があり、当研究所の大型計算機等の豊かな計算機環境の使用により効率の良い研究が可能となる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

平野 勝臣

統計数理研究所

山田 作太郎

東京水産大学