昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−77

専門分類

7

研究課題名

呼吸コントロールシステムのダイナミック・レスポンス特性についての解析

フリガナ

代表者氏名

タムラ ヨシヤス

田村 義保

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計計算開発センター

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

呼吸コントロールシステムを時系列解析の手法によって以下の点を中心に研究する。
1)低酸素,高炭酸ガス喚気応答のダイナミックレスポンス特性
2)〓,〓相互作用がシステムの非線形性におよぼす影響
3)システムの安定性に影響をおよぼす要因の推定
4)喚気量変化の予測と最適制御


共同研究実施状況
データのサンプリング方法等の実験計画の部分から議論し,生理学的・統計学的に意味のある実験方法,解析方法について共同で研究してきた。呼吸特性を知るために,〓濃度を変化させて応答を調べるのではなく,運動負荷の変化に対する応答を調べることにした。解析は主に,61年度の共同研究を成果のひとつである多変量時系列解析のプログラムを用いて解析してきた。
研究成果
注目している対象(〓濃度,運動負荷が呼吸数に与える影響,すなわち呼吸器系というシステム)がフィードバックシステムであるということに留意して多変量時系列モデルをあてはめて解析してきた。解析結果の生理学的解釈を行うことにより,呼吸器系しくみをさぐろうとしてきた。運動負荷量の大小を入力信号として,呼吸応答が変化することが,ある程度わかった。〓濃度を入力とする経路も同様に重要であることもわかった。
しかし,非線形性を有するであろう対象に,線形モデルをあてはめているため,及び,直接に測定できない量が多いために,運動負荷,〓濃度のいずれが重要であるかの結論を得るまでに至っていない。63年度に,非線形モデルを構築し,新しい知見の獲得を目差していく。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Yoshitaka Oku and Kenshi Kuno:
Dynamic relationships between rentilation and gas exchange variables during exercises and 〓 inhalation:発表予定


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

吸入気中の〓濃度および〓濃度を任意に変化させられる装置を用いて吸入気のこれらの濃度をランダムに変化させ,その時の換気量,呼気終末の〓,〓濃度を測定し,このデータをTIMSAC等を用いて解析する。
61年度の共同研究では,ダイナミックレスポンスを中心に,従来からある時系列モデル(TIMSAC)を用いて解析してきた。今年度は,さらに進んで,システムの非線形性を中心に研究を進めて行く。非線形モデルは対象ごとに考える必要があり,実際の対象(本研究では,呼吸器系)について深い知識を持つ研究者と統計的方法の研究者が共同研究することによってはじめて適切なモデルを構成できるようになる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

越久 仁敬

京都大学