平成282016)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

28−共研−2063

分野分類

統計数理研究所内分野分類

i

主要研究分野分類

5

研究課題名

自動運転技術におけるドライバーの運転動作モデリングに関する検討

フリガナ

代表者氏名

ミヤサト ヨシヒコ

宮里 義彦

ローマ字

Miyasato Yoshihiko

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

21千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

運転者・乗客共に楽しく運転・移動できるための統合的な車両制御系の検討は行われておらず,運転者の運転の楽しさについては車両?運転者系のモデルに基づく制御の研究が主体であり,快適性の研究が車両?運転者系における制御系の観点から統合的に検討されていない.そのような現状を鑑みて,運転者・乗客共に楽しく運転・移動できるための統合的な車両制御系の研究を進める.特に車両?人間(運転者と乗客)系の統計モデルを構築してその知見を活用することによって,従来以上の結果を達成する車両制御系の設計理論の追求を行う.共同研究者の荒川は,ドライビングシミュレータ(愛知工科大学現有設備)を用いて,自動運転時および自動運転の破綻を想定したマニュアル運転移行時におけるドライバ状態を,座圧,血圧,脳血流(NIRS),唾液アミラーゼなどの生理指標の観点から検証した.その結果,自動運転時における依存傾向および認知・判断力の低下傾向を示すと共に,自動運転を経てマニュアル運転に移行する場合,制御系についてドライバにテイクオーバーされることに起因してドライバのメンタルワークロードが増加する一方,認知・判断力のレベルは自動運転実施時と殆ど変化しないことを検証した.また,H28年度は共同研究者間で打ち合わせを1回実施した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

<著書>
・ 荒川俊也: 製品開発のための生体情報の計測手法と活用ノウハウ 第2章 第3節 「心拍・脈波計測を用いた各種評価」, 株式会社情報機構, pp.72-78 (2017).
<論文>
・ 荒川俊也: ドライバモニタリングシステムの技術動向と展望, 愛知工科大学紀要, 第14巻, pp.55-61 (2017).
・ 荒川俊也: 高校生向けPBL型教育を通じた自動車工学と予防安全技術への関心向上策, 工学教育, Vol.65, No.1, pp.94-99 (2017).
・ Toshiya Arakawa: Driver Attention Based on Eye-movement and Time-series Analysis - Concept of Driver State Detection Devices, American Journal of Mechanical Engineering, Vol.5, No.1, pp.18-23 (2017).
・ 荒川俊也: 若年ドライバの高速道路走行時スマートフォン操作が及ぼす影響の検証, 産業応用工学会論文誌, Vol.4, No.2, pp.31-36 (2016).
・ 荒川俊也,井藤良温: 企業内新人教育プログラムを導入した初年次教育の試み, 工学教育, Vol.64, No.4, pp.77-82 (2016).
・ Ryosuke Sugie, Toshiya Arakawa, Kazuhiro Kozuka: Detection of Fatigue in Long-Distance Driving by Heart Rate Variability, ICIC Express Letters, Vol.10, No.7, pp.1553-1559 (2016).
<学会発表>
・ 荒川俊也: 生体データを活用したドライバ状態検出・推定システムの現状 -パーティクルフィルタの適用に向けて, パーティクルフィルタ研究会2017年3月度研究会 (2017.3.22).
・ 藤城孝彰, 荒川俊也: 自動運転に対する依存とシステム破綻時のヒューマンファクタ, 計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会2016 (2016.12.6),
・ 荒川俊也: 視線挙動に基づく自動運転時のヒューマンファクタ, 生体医工学シンポジウム2016 (2016).
・ 荒川俊也, 神永健多, 榊原規彰, 近藤針次: 容積脈波法によるステアリング装着型連続血圧計の開発と評価, 産業応用工学会全国大会2016 (2016).
・ Toshiya Arakawa: Consideration for Inhibiting Over-reliance of Autonomous Vehicle, ICISIP2016: The 4th International Conference of Intelligent Systems and Image Processing 2016, Kyoto, Japan (2016).
・ 荒川俊也: 自動運転への依存に関する実験的考察 - ヒューマンファクタの観点から -, 自動車技術会中部支部2016年度支部通常総会併催研究発表会(2016).
・ Toshiya Arakawa, Kunihiko Oi: Verification of Autonomous Vehicle Over-reliance, Measuring Behavior 2016, Dublin, Ireland (2016).
<その他>
・ 計測自動制御学会 システム・情報部門学術講演会2016 研究奨励賞受賞(藤城孝彰, 荒川俊也: 自動運転に対する依存とシステム破綻時のヒューマンファクタ)
・ 産業応用工学会 全国大会2016 優秀論文発表賞受賞(荒川俊也, 神永健多, 榊原規彰, 近藤針次: 容積脈波法によるステアリング装着型連続血圧計の開発と評価)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

今年度は研究会は開催しなかった.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

荒川 俊也

愛知工科大学