平成202008)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

20−共研−2015

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

3

研究課題名

ジャンケンゲーム課題遂行中の脳活動計測とデータ解析

フリガナ

代表者氏名

ミワケイチ フミカズ

三分一 史和

ローマ字

Fumikazu Miwakeichi

所属機関

千葉大学

所属部局

大学院工学研究科メディカルシステムコース

職  名

助教

配分経費

研究費

50千円

旅 費

23千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

石黒らが開発した2次元3値時系列をモデル化したジャンケン予測ゲーム遂行中の脳活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて計測した。課題デザインは1コンディションのブロックデザインである。磁場の安定のために30秒の解析除外時間をもうけた後、30秒の対照条件と30秒の刺激条件を6回繰り返した。(したがって1回の検査時間は30 x 2 x 6 + 30 = 390 sとなる)。fMRI課題の刺激条件は、コンピューターとじゃんけん勝負をおこなうというものである。被験者はなるべく勝つように考えるように推奨され、じゃんけんの手を決定する。その後コンピューターがアルゴリズムにのっとって手を提示する。対照条件として,(1)コンピューターが被験者の手を予測する(PRD),(2)コンピューターが乱数で決定された任意の手を提示する(RND),(3)被験者の決定した手を参照して勝つ手と負ける手を交互に出すようにコンピューターが後出しをする(DEC),3種類を設けた。
被験者は15人で,各々の条件における勝率の平均はPRD 33%,RND 35%,DEC 50.8% であり,分散分析とt検定 の結果,PRD-DEC間,RND-DEC間に有意差が認められた(p<0.01)。
条件間での脳活動の差を統計解析した結果は,RND-DECでは、両側後頭葉,左小脳扁桃、小脳山頂、左視床、右頭頂葉に, PRE-DECでは左後頭葉,右紡錘状回,右頭頂葉,背外側前頭前野,左運動野,左縁上回,補足運動野に賦活が認められた。両者に共通して視覚野と右頭頂葉が認められた一方、RND条件では小脳が,そしてPRE条件では紡錘状回,左縁上回,運動野,前頭前野が認められた。
以上の結果より,被験者は,コンピューターが被験者の手を予測している勝負している手に対して戦略的かつ意識的に対応する一方,コンピューターが被験者の手を無視して任意で決定している時は、被験者も自動的かつ無意識的な脳活動を行っていることが示唆された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会発表,論文発表に関しては準備中である。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

菊地 千一郎

自治医科大学