平成20(2008)年度 一般研究2実施報告書
課題番号 |
20−共研−2031 |
分野分類 |
統計数理研究所内分野分類 |
d |
||||||
主要研究分野分類 |
7 |
|||||||||
研究課題名 |
空間的逐次型連結関係を保持した最適森林ランドスケープ管理に対するヒューリスティックモデルの構築 |
|||||||||
フリガナ 代表者氏名 |
ヨシモト アツシ 吉本 敦 |
ローマ字 |
Yoshimoto, Atsushi |
|||||||
所属機関 |
統計数理研究所 |
|||||||||
所属部局 |
数理・推論研究系 |
|||||||||
職 名 |
教授 |
|||||||||
配分経費 |
研究費 |
40千円 |
旅 費 |
100千円 |
研究参加者数 |
6 人 |
研究目的と成果(経過)の概要 |
我が国の中山間地域においては,村の過疎化・担い手不足・木材価格の低迷などにより森林の管理が不十分になってきており,その結果,地域生活を脅かす防災機能の低下が著しくなってきている.こうした状況下においても,時空間的に間伐・主伐などの管理行為の連結関係を制御することにより森林管理を通した防災機能の維持は可能である.本研究では,災害防止を念頭にした空間的逐次型連結関係を考慮できる森林ランドスケープ管理最適化モデル構築に向けた基盤整備として,GISシステムと空間的最適化モデルを統合するアプローチの確立を試みた.そして,この統合アプローチを2つの実際問題に適用した.まず1つは,日本における団地化問題への応用である.施業班の団地化(集約化)は,適切な管理を施すための重要な課題であるが,従来のランダムサーチによるヒューリスティックでは施業地を集約化する解の探索は非常に困難である.そこで,本研究ではGISを用いてハイパーユニットと呼ぶ隣接施業班を集約した団地化候補ユニットを定義し,それに対する隣接情報を基に隣接制約式を導出し,単純な隣接空間問題へと変換して解の探索を行った.もう1つは,スロバキアにおけるストリップ空間的伐採計画問題への応用である.スロバキアでは1つの施業班をさらにストリップ状に分割し,それぞれ隣接し合うストリップが同時期に伐採されることがないように伐採計画を立てる必要がある.この問題においてもGISを活用し,従来のそれぞれの施業班に対してストリップを作成し,それぞれのストリップに対する隣接情報を導出した.そして隣接空間問題として最適空間伐採パターンを探索した.この最適解と従来の施業班に対する隣接空間問題の最適解を比較した結果,解の値が従来の施業班に対する最適解に比べて劣ることが分かった.これは,ストリップを扱うことで,制約条件が増えたことが1つの原因と考えられる.このように空間的逐次型連結関係を考慮できる問題は,単純な隣接空間問題への変換が可能なケースがあり,そのような場合においては比較的簡単に解の探索を行えることが分かった. |
当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等) |
論文発表: |
研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。 |
|
研究参加者一覧 |
|
氏名 |
所属機関 |
上野 玄太 |
統計数理研究所 |
加茂 憲一 |
札幌医科大学 |
木島 真志 |
東北大学 |
二宮 嘉行 |
九州大学 |
柳原 宏和 |
広島大学 |