平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−92

専門分類

8

研究課題名

日米の女性運動の比較研究

フリガナ

代表者氏名

カマノ サオリ

釜野 さおり

ローマ字

所属機関

国立社会保障・人口問題研究所

所属部局

人口動向研究部

職  名

第2室長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は一つ一つの国の事例研究に留まっている女性運動の研究に統計分析を取り入れ、日本とアメリカの女性運動の状況を系統的に比較することである。統計情報があまり活用されていない女性学の分野で統計分析を試みることは統計学、女性学の両分野の発展に貢献できると考えられる。


現在の日本の女性運動の状況を「女のネットワーキング」に記載されている女性団体に基づいて分析した。各グループの記述から、活動内容、分野、目的、ならびに活動基盤になっている思想を読み取り、それらの特徴によってグループを分類した。記載された590グループから女性やジェンダーに関連のないもの37を除いた553グループのうち、「フェミニスト団体」の部類に分類できるものは332あった。これらのグループには、フェミニスト視点を支持している、女性を肯定し社会変革を求める、または女性全体ないし個人の女性の地位の改善にコミットしている等の特徴がある。本研究では、さらに女性運動の一面として、大学においての女性学教育の現況の分析も行った。
本研究の成果は、記述のみになりがちな女性運動ならびに女性学教育に関する情報を、理論に沿って系統的に計量化したことである。しかし、現段階では、ここで扱ったものに対応するアメリカ全体の女性運動等のデータが存在しないため、2カ国の系統的な比較をすることはできなかった。この比較を可能にする方向に持って行くこと、さらに女達の活動によって育まれているイディオロギーと「一般社会」においてのジェンダーの意味システムの関連を追究していくことを今後の課題とする。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Khor,Diana."Shared Commitment,Divergent Demands."
National Women's Studies Association 16th Annual Meeting,June 23,1995.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

日本とアメリカそれぞれの国において現在活動している女性団体の一つ一つをその活動内容、目的、規模、運営の方法などによって分類し、データのコーディング作業を行う。その分類にはKhorが過去に発案した女性運動団体の分類法を応用する。分類結果をもとに各国の女性運動の状況を表わす様々な指標を作成し、統計分析を通して2カ国の女性運動の内容と状況を比較する。2カ国の運動状況の相違を社会的、経済的、政治的、ならびに歴史的な要素と対比して検討してみる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

Khor Diana

法政大学