平成6（1994）年度　共同研究集会実施報告書

課題番号	6−共研−10			専門分類		5
研究課題名	乱流の統計理論とその応用
フリガナ 代表者氏名	オカザキ　タカシ 岡崎　卓			ローマ字
所属機関	統計数理研究所
所属部局	統計科学情報センター
職　　名	教授
所在地
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配分経費	研究費	0千円	旅　費		0千円		研究参加者数	40　人

研究目的と成果（経過）の概要

流体の呈する不規則運動である乱流について、その不規則性が生ずる本質的機構を探求・解明し、理工学・工業技術への応用を図るため、広範な分野に亘る研究者を招請して、最新の研究成果に関する報告を受けるとともに、統計数理研究所を拠点に研究者の交流と情報交換の促進を目指す。


乱流現象に潜む統計法則の理論的解明と応用に伴う諸問題の解決をめざす標記研究会においては，12の講演を中心に質疑討論が行われた．注目する現象あるいは分析する視点によって各講演の内容を分類すれば、エネルギーの伝達および圧力の変動に関する物理的機構の解析、乱流拡散の定式化と予測、境界層や剪断乱流の構造の記述と解明、電磁流体乱流の挙動に関する理論とに分けられる．
いずれも既に長い研究の歴史をもつ課題であるが、講演は最前線における研究状況の報告に始まって新理論・新解釈の提案に及び、各参加者は自己の研究を進めるうえに有意義な示唆を受けた．特に電磁流体関係の講演は、地磁気逆転現象の解明や核融合炉の定常運転の実現に有益な指針を与えたものと思われる．
各講演に対する質疑討論により、異なる領域の研究者が新たな方法論を相互に伝達することができ、本研究会は乱流理論の発展と応用の促進に多分の寄与をなし得たと信ずる．
１．乱流中の相対拡散……………………………………………………… 関　和彦(通産省・物質工業技術研)
２．乱流に関する2、3の話題……………………………………………… 吉沢　徴(東大・生産研)
３．乱流場の Wavelet 解析 ……………………………………………… 飯間 信・藤 定義(京大・理)
４．等方性乱流における速度差の統計…………………………………… 細川 巌(電通大)
５．剪断乱流中の縦渦運動による渦層の形成過程……………………… 河原 源太(愛媛大・工)
６．乱流境界層におけるCoherent Structureの運動について………… 辻 義之・中村 育雄(名大院、名大・工)
７．磁気対流における 周期解の分岐 …………………………………… 戸次　直明(日大・工)
８．球殻内の流体運動の 解の分岐 ……………………………………… 柳瀬 慎一郎・荒木 圭典・水島 二郎(岡山大・工、京大・理、同志社大)
９．圧縮性乱流におけるエネルギー交換のメカニズム………………… 三浦 英昭・木田 重雄(京大・数理研)
１０．大気境界層の 非局所的な乱流拡散 ………………………………… 半場　藤弘(東大・生産研)
１１．一様引き伸ばし流中の非等方乱流…………………………………… 高岡 正憲 (阪大・基礎工)
１２．Statistics of pressure gradient in homogeneous turbulence 後藤 俊幸(名工大)

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

本研究会の講演要旨は共同研究会報告として印刷に付される予定であり、また各講演の内容はより整備された形で関連学協会誌に掲載されるものと考える。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
荒木 圭典	京都大学大学院
飯間　信	京都大学大学院
石井　克哉	名古屋大学
大木谷　耕司	京都大学
大嶋　洋	東邦大学
甲斐　昌一	九州大学
金田　行雄	名古屋大学
河原　源太	愛媛大学
神部　勉	東京大学
木田　重雄	核融合科学研究所
桑原　真二	帝京技術科学大学
後藤　俊幸	名古屋工業大学
斉藤　善雄	東邦大学
真田　勉	日本シンキングマシーンズ
佐野　雅巳	東北大学
下村　裕	慶應義塾大学
高岡　正憲	大阪大学
高橋　和彦	物質工学工業技術研究所
高安　秀樹	東北大学
田口　善弘	中央大学
辻　義之	名古屋大学
藤　定義	京都大学
富山　泰伸	東京都立大学
中内　紀彦	東邦大学
中野　徹	中央大学
羽鳥　尹承	核融合科学研究所
半場　藤弘	東京大学
福西　祐	東北大学
藤本　光昭	名古屋大学
戸次　直明	日本大学
細川　巌	電気通信大学
堀内　潔	東京工業大学
松下　貢	中央大学
三浦　英昭	核融合科学研究所
水島　二郎	同志社大学
宮嵜　武	電気通信大学
柳瀬　眞一郎	岡山大学
山本　稀義	航空宇宙技術研究所
吉澤　徴	東京大学