平成27(2015)年度 共同利用登録実施報告書
課題番号 |
27−共研−19 |
分野分類 |
統計数理研究所内分野分類 |
j |
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主要研究分野分類 |
7 |
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研究課題名 |
森林資源の効率的利用に向けた時空間的最適化モデルの構築 |
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フリガナ 代表者氏名 |
コノシマ マサシ 木島 真志 |
ローマ字 |
Konoshima Masashi |
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所属機関 |
琉球大学 |
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所属部局 |
農学部 |
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職 名 |
准教授 |
研究目的と成果の概要 |
本研究では、地理情報システム(GIS)のデータベースを基に、整数計画法を用いて、様々な空間的制約を考慮できる森林管理計画の最適化モデルを構築し、最適管理時空間配置の探索を試みることを目的とした。特に、整数計画法の場合、扱う変数が多くなると最適解を求めることが困難になることから、先行研究では、最適な森林管理計画を探索する際に、1回のみの伐採を考慮することで、変数の数を制限するなど問題を単純化してきた。しかし、持続的な森林経営を考えた場合、各林分において複数回の伐採機会を考慮できる長期の問題として定式化する必要がある。そこで、本研究では、Yoshimoto and Konoshima (2016)の手法を適用し、各林分に複数回の伐採時期の組み合わせを示した「処方箋」を定義し、どの「処方箋」がどの「林分」に割り当てられるのが最も効率的かを明らかにする最適化モデルを構築した。ここでは、沖縄県の石垣市の市有林を対象に、GISデータベースを構築し、森林簿の情報及び収穫表をもとに、樹木の成長を予測し、最適化モデルの目的関数の係数を明らかにした。計画期間は10期間(1期10年)とした。そして、隣接制約(隣接した伐採区画は同時期に伐採できない)、収穫量制約(計画期間を通して、安定的な収穫量を維持する)を満たし、かつ計画期間中の収穫量を最大化する最適化モデルを定式化した。なお、解の探索には、商用ソルバーであるGurobi opitimzier を用いた。我々の最適化モデルは、各伐採区画における2回の伐採が、いずれも隣接制約を満たしながら、実施できる長期の伐採計画を探索し、最適時空間伐採パターンを明らかにした。 |