平成20（2008）年度　共同研究集会実施報告書

 

課題番号

20−共研−5004

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

2

研究課題名

経済物理学とその周辺

フリガナ

代表者氏名

タナカ　ミエコ

田中　美栄子

ローマ字

Mieko Tanaka

所属機関

鳥取大学

所属部局

大学院工学研究科情報エレクトロ二クス専攻

職　　名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅　費

440千円

研究参加者数

30　人

 

 

研究目的と成果（経過）の概要

大規模経済情報に関するデータベースの蓄積が進んできた結果、これまで測定できなかったため推測の域を出なかった経済活動に関するデータに基づいた分析が可能となってきている。更に、データの背後に横たわる物理過程を考慮したデータ分析を行うための、物理的観点からのモデル化と実証分析を行う「経済物理学」と呼ばれる分野が形成されつつある。本研究集会では、経済物理学とその周辺分野の研究者の分野横断的交流を通じて、異分野間で得られつつある研究に関する知見の情報交換と共同研究体制の醸造を目的として開催を行っている。本年度は2008年9月24日〜25日（統計数理研究所：１５講演）および、2009年１月24日（鳥取大学：１６講演）において、研究集会を開催した。のべ参加者数はあわせて８０名を越え、統計・経済・物理・情報の緩やかな連携による分野横断的な研究者や実務家の参加があった。
【プログラム抜粋】
統数研・共同研究集会「経済物理学とその周辺」　H20第１回研究集会プログラム
日時：２００８年９月２４日（水）−２５日（木）
9月24日(水)
Session 1 (13:00-14:30)　座長：田中美栄子（鳥取大院工）
1)「U-mart人工市場シミュレータの現状」　有賀裕二、小山友介（中央大）
2)「０，１世界のスケール不変性」　久門正人（スタンダード＆プアーズ）、守真太郎（北里大理物理）
3)「改善されたMCMC法によるGARCHモデルの推定」　高石哲弥（広島経済大）
Session 2 (15:00-17:00) 座長：佐藤彰洋（京大院情報）
4)　「企業与信のリスク管理：動学化と相互依存性」　副島豊（日銀金融研究所ファイナンス研究担当）
5) 「お金とは、一体、何なのか？」（世界的な金融混乱を、歴史的観点から分析する） 本間裕（アセットデザイン株式会社　ＣＩＯ）
6)　「キールのエコノフィジックスコロキウム報告」田中美栄子（鳥取大）、水野貴之（一橋大）

 

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

１．過去の研究会プログラムが
http://amech.amp.i.kyoto-u.ac.jp/~aki/pukiwiki/economics/
にまとめて載せられています。

２．統計数理研究所発行の共同研究リポート、177,187,198,209,226巻：
Vol. 177「経済物理とその周辺」2005年3月（統計数理研究所）1−86頁
Vol. 187「経済物理とその周辺(2)」2006年3月（統計数理研究所）1−174頁
Vol. 198「経済物理とその周辺(3)」2007年3月（統計数理研究所）1−110頁
Vol. 209「経済物理とその周辺(4)」2008年3月（統計数理研究所）1−99頁
Vol. 226「経済物理とその周辺(5)」2009年3月（統計数理研究所）1−128頁

に共同研究集会で発表された論文の殆どが毎年掲載されています。

３．「第21回自律分散システム・シンポジウム（開催実行委員長：田中美栄子）資料２００９年１月２２日（木）、２３日（金）」； 308ページ； 2009年１月22−23日、とりぎん文化会館（鳥取）； （社）計測自動制御学会 〒113-0033　東京都文京区本郷1-35-28-303（カタログ番号09SY0001)
に「経済物理学」分科会（1月23日）に発表された論文が多数、掲載されています。

４．日本物理学会講演概要集（第64巻第１号：第64会年次大会）に第２分冊（領域11「経済物理」セッション）に共同研究集会分担者の講演概要が多数、収録されています。

５．共同研究集会分担者の一部による書籍出版
1. 『SGC-65 臨時部冊・数理科学 ネットワーク科学への招待-世界の“つながり”を
知る科学と思考-』，サイエンス社，共編（青山秀明，相馬亘，藤原義久）2008年7月
2. 『経済物理学』，共立出版，共著（青山秀明，家富洋，池田裕一，相馬亘，藤原義久）2008年10月
3. 『パレートファームズ』，日本経済評論社，共著（青山秀明，家富洋，池田裕一，相馬亘，藤原義久）2007年5月

６．Progress of Theoretical Physics, Supplement Vol.179 (YITP, 2009)
「エコノフィジックスII」2007年12月24-25日（京都大学時計台ホール）で講演発表された論文の多くが掲載されています（英語）。

7. 英文学術誌、Physica A (Elsevier)に関連論文が多く掲載されています。

8. 科学研究費報告書
「高頻度価格変動データの情報科学および物理科学的手法による解析」C2[14580385] 127ページ， 2006年３月 田中美栄子（鳥取大学工学部）

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

家富　洋

新潟大学

石井　晃

鳥取大学

石川　温

金沢学院大学

井上　寛康

同志社大学

大西　立顕

東京大学

小野崎　保

青森公立大学

國上　真章

筑波大学

佐藤　彰洋

京都大学

下浦　一宏

NPO法人科学カフェ京都

鈴木　智也

同志社大学

相馬　亘

（独）情報通信研究機構 ／（株）国際電気通信基礎技術研究所

高石　哲弥

広島経済大学

高橋　大志

岡山大学

田村　義保

統計数理研究所

出口　正之

国立民族学博物館

寺野　　隆雄

東京工業大学

仲山　泰弘

新潟大学

長谷川　博

茨城大学

服部　彰

福岡大学

藤原　義久

（独）情報通信研究機構 ／（株）国際電気通信基礎技術研究所

増川　純一

福山平成大学

水野　貴之

一橋大学

村井　浄信

岡山大学

山崎　和子

東京情報大学

山田　健太

東京工業大学

山田　隆志

東京工業大学

渡辺　広太

東京工業大学

渡邉　隼史

東京工業大学

渡辺　陽平

東京工業大学