平成262014)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

26−共研−1017

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

1

研究課題名

単純化した多次元ランダムパッキングにおける漸化式

フリガナ

代表者氏名

イトウ ヨシアキ

伊藤 栄明

ローマ字

Itoh Yoshiaki

所属機関

統計数理研究所

所属部局

名誉教授

職  名

名誉教授

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多次元ランダムパッキングの研究には通常計算機シミュレーションがもちいられる。解析的接近が可能であるように問題を単純化した離散的なモデルを考え、空間の次元との関連で充填率を考える。より具体的には次の問題を考えることにより研究をすすめた。
辺の長さ1である格子を考え、格子点の上にcubeの頂点を置く、離散的な向きをそろえたランダムパッキングを考える。辺の長さNのcube を辺のながさ2Nのcubeにランダムにつめてゆくというもっとも単純な離散的ランダムパッキングを考える。片隅充填志向という条件をいれたモデルを考えると空間の次元dとの関連で充填率の期待値の漸化式が得られる。この漸化式に基づいて充填率の次元dとの関連での漸近的挙動を調べる。この問題の解決には古典的な解析学における様々な深い性質を用いる必要があるがProf Hsien-Kuei Hwang の協力によりanalysis of alogorithms という分野で用いられている解析的方法を適用した。平成25年度は充填された立方体の個数についての確率分布が得られた (Fuchs, Hwang, Itoh, Mahmoud (2014))。 平成26年度は論文Fuchs, Hwang, Itoh, Mahmoud (2014)における方法を発展させ、片隅充填志向という条件をいれずに、空間の次元との関連で充填率の冪乗則について解析的結果を得る努力をした。まだ途上であり、準備としてこの問題の離散幾何学的側面の研究を行った (Dutour Sikiric and Itoh (2015)。



 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Fuchs, M., Hwang,HK., Itoh, Y., Mahmoud, H.(2014) A binomial splitting process in connection with corner parking problems, Journal of Applied Probability, 51, 971-989.

Dutour Sikiric, M. and Itoh, Y.(2015) New Results on Torus Cube Packings and Tilings, Proceedings of the Steklov Institute of Mathematics, 288, 243-246.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会はとくに開催していない。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

中野 純司

統計数理研究所

Hwang Hsien-Kuei

Academia Sinica, Taiwan