平成202008)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

20−共研−2008

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

時系列モデルを用いた内部磁気圏磁場データベースの作成と解析

フリガナ

代表者氏名

ノセ マサヒト

能勢 正仁

ローマ字

Nose, Masahito

所属機関

京都大学

所属部局

理学研究科 地磁気世界資料解析センター

職  名

助教

配分経費

研究費

50千円

旅 費

50千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 磁気嵐時に発達するリングカレントは内部磁気圏の磁場構造を大きく変える。また、その磁場構造の変化はリングカレントの発達・減衰やイオン組成を変化させるなどのフィードバックを及ぼしうる。そのため、内部磁気圏の磁場構造がどの程度基底状態の磁場構造から変形しているかを調べることが重要である。内部磁気圏を飛翔するMDS-1衛星は磁場観測装置を搭載しており、約1年半に及ぶ磁場データを蓄積している。この磁場データには衛星スピンの影響による周期約12秒の変動が現れており、統計解析を行う前に、この変動を取り除く必要がある。しかし、この変動は、周期・振幅などが少しずつ変わるために、一般に用いられるようなバンドパスフィルターなどで抽出することは困難だと想定される。そこで、この研究ではカルマンフィルターにより衛星スピンによる変動を同定し、自然現象に対応する成分の抽出を行う。その後、磁場観測値はダイポール磁場およびIGRFモデルの値からどの程度差を生じているのかについて、磁気擾乱度を指標として統計的に解析を行う。
 今年度は、宇宙航空研究開発機構から約1年半分のすべてのデータの提供を受け、内部磁気圏の磁場変動について統計解析を行った。その結果、磁気嵐が起こっているときには、変動がほとんどないと従来から考えられてきた深内部磁気圏においても、磁場双極子化現象が頻繁に起こりうることが明らかになった。またその時には、酸素イオンが強く加速され、粒子フラックスが大きく増大することが分かった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会発表
1. Nosé M., H. Koshiishi, H. Matsumoto, and T. Goka, Magnetic field dipolarization in the inner magnetosphere observed by the MDS-1 satellite, 地球惑星科学関連学会2008年合同大会、2008年5月、千葉県・幕張 (Poster)
2. 能勢正仁、越石英樹、松本晴久、古賀清一、五家建夫、MDS-1 satellite observations of magnetic field dipolarization in the deep inner magnetosphere、第124回地球電磁気・地球惑星圏学会総会、2008年10月、宮城県・仙台 (Oral)
3. Nosé M., H. Koshiishi, H. Matsumoto, K. Koga, and T. Goka, MDS-1 satellite observations of magnetic field dipolarization in the deep inner magnetosphere, 平成20年度磁気圏電離圏シンポジウム、2008年11月、神奈川県・淵野辺 (Poster, Invited)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

該当なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所