平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−21

専門分類

2

研究課題名

不確実さのもとでの最適制御系設計に関する研究

フリガナ

代表者氏名

イトウ サトシ

伊藤 聡

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計計算開発センター

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

外乱などの不確実さが存在するシステムに対する制御系設計のための理論として,微分不可能最適化およびゲーム理論の立場から,min-max型の最適制御問題についてその最適性条件を誘導し,これに基づく制御系設計アルゴリズムを開発する。


本研究の目的は,外乱などの不確実さが存在するシステムに対する制御系設計のための理論して,微分不可能最適化およびゲーム理論の立場から,min-max型の階層的最適制御問題についてその最適性条件を誘導し,これに基づく制御系設計アルゴリズムを開発することである.外乱やシステムパラメータの変動などの不確定要素を確率的な変動として取り扱う最適化手法として確率計画法があるが,確率的な情報すらわかっていない場合はゲーム論的なmin-max戦略を取らざるを得ない.本研究では,特にシステムのロバスト性を保証するH∞ノルムに関する満足条件のもとでのLQ最適制御およびこれを一般化したmin-max制御問題を取り上げ,これを実現する満足最適制御系の設計について考察した.具体的には微分不可能最適化理論およびゲーム理論の立場から,満足最適制御を特徴づける必要十分条件として線形行列不等式を含む条件を導出し,これに基づいて満足最適制御が一種の状態フィードバックで与えられることを示した.今後はさらに数値実験を繰り返し,本設計アルゴリズムの有効性を示すとともに,より効率の良い設計アルゴリズムの開発をめざす.特に,線形行列不等式系に対する効率的な計算手法として知られている内点法をこの設計アルゴリズムに組み込む予定である.


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

K. Shimizu and S. Ito, Satisfactory optimal control: min-max control under the H-infinity norm constraint, Proceedings of the 1995 American Control Conference, vol. 6, pp. 4445--4450, June 1995.

K. Shimizu and S. Ito, Satisfactory optimal control: min-max control under the H-infinity norm constraint, 1995 American Control Conference, June 1995.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

外乱やシステムパラメータの変動などの不確実性を確率的な変動として取り扱う最適化手法として確率計画法があるが,不確実要素に関する確率的な情報すらわかっていない場合はゲーム論的なmin-max戦略を取らざるを得ない。本研究では,特にH∞ノルムに関する満足条件のもとでLQ最適制御およびmin-max制御問題を取り上げ,これを実現する満足最適制御系の設計について考察する。具体的には,微分不可能最適化理論およびゲーム理論の立場から,満足最適制御を特徴づける条件を導き,これに基づいてフィールドバック制御系を設計するためのアルゴリズムを開発することを目的とする。また,線形行列不等式に対する効率的な計算手法として知られている内点法をこの設計アルゴリズムに組み込むことも行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

志水 清孝

慶應義塾大学