平成21990)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

2−共研−44

専門分類

5

研究課題名

乱流の統計理論とその応用

フリガナ

代表者氏名

ミズシマ ジロウ

水島 二郎

ローマ字

所属機関

同志社大学

所属部局

工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

23 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

流体運動の不規則現象である乱流は,その統計法則が未だ充分に解明されておらず,統計物理学の興味ある対象であるのみならず,星の生成,天体磁場の発生原因,化学合成,大気・海洋環境等の多様な物理現象や工学的応用に重要な役割を担っていることが近年明らかにされつつある。このように乱流の理論的解明と応用に伴なう諸問題の解決は理工学上の重要課題である。
広汎な分野に亘る乱流研究を緻密に理解する機会を得,統計理論的側面から乱流理論の進展と応用の成功に寄与するには統計数理研究所を拠点として研究者間の交流を図ることが望ましく,ここに共同研究会の開催を申請する所以である。


乱流現象の理論的解明と応用に伴う諸問題の解決をめざす本研究会においては,下記12講演を中心に研究討論を行なった。
1.半場藤弘:MHD流れの乱流起電力とクロスヘリシティ
2.神部勉:乱流のカスケードモデルと近似指数分布
3.吉澤徴:圧縮性乱流に関する二,三の話題
4.沢田恵介:圧縮性Navier−Stokes方程式の解法とモデリング
5.田中輝雄:高並列計質機向きCFDプログラムの並列化技法
6.柳瀬眞一郎:一様回転の渦に対する安定化・不安定化
7.荒木圭典:2−Dドリフト方程式における2種の非線形性の役割
8.梅木誠:パラメトリック散逸NLS方程式:ファラデー共鳴とのアナロジー
9.菊地康裕・相澤洋二:Chaos in nearly integrable Hamiltonian systems
10.加藤正二:天体における乱流・波動現象−降着円盤を中心として−
11.小川哲・石黒登美子・和田安弘:化学反応を伴う圧縮性流れの数値計算
12.木田重雄:圧縮性乱流におけるエネルギー伝達
上記講演には,従来の乱流理論の枠組に含まれる研究と共に,カオス理論,航空工学,計算機設計理論など乱流と間接的に接触する分野の研究が含まれている。これらの講演によって,他分野で開発された手法と理論を乱流研究に応用し,乱流現象を考察する新たな視座を築く手がかりが得られた。
また,これまで乱流理論において考察されてきた解析手法を天体物理・地球物理等に適用する試みについて質疑討論がなされ,乱流研究の裾野を広げる上に重要な指針がもたらされた。
本研究会の参加者の専攻が広範な分野に亘り,また所属が多様であることは,各人が研究集会を重視していることを物語っている。次年度も,統計数理研究所を中心に,研究交流の場が与えられることを望む次第である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

荒木 圭典

京都大学大学院

岡崎 卓

統計数理研究所

甲斐 昌一

九州大学

加藤 正二

京都大学

金田 行雄

名古屋大学

河村 哲也

千葉大学

神部 勉

東京大学

木田 重雄

核融合科学研究所

桑原 真二

帝京技術科学大学

後藤 俊幸

名古屋工業大学

佐藤 哲也

核融合科学研究所

沢田 恵介

東北大学

中野 徹

中央大学

羽鳥 尹承

核融合科学研究所

藤村 薫

鳥取大学

細川 巌

電気通信大学

本田 勝也

名古屋大学

宮嵜 武

電気通信大学

村上 洋一

大阪府立大学

柳瀬 眞一郎

岡山大学

山田 道夫

東京大学

吉沢 徴

東京大学