平成232011)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

23−共研−1003

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

海洋データ同化システムに用いる誤差分散共分散行列の作成に関する研究(2)

フリガナ

代表者氏名

フジイ ヨウスケ

藤井 陽介

ローマ字

Fujii Yosuke

所属機関

気象庁気象研究所

所属部局

海洋研究部第2研究室

職  名

主任研究官

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は、気象研究所海洋データ同化システムにおいて、海面水温データの同化にグラフィカルモデル(データ間の依存関係を視覚的にモデル化したもの)を用いて推定した観測誤差分散行列を用いる手法を開発することを目的としており、本年は、以下の内容を実施した。

(1) 時系列として得られている海面水温データ(1960年〜2007年)に対して、各観測地点でのトレンドを差し引き、その残差に関する標本分散共分散行列を作成した。

(2) 得られた分散共分散行列に対して、グラフィカルモデルの推定を行った。2度刻み (8585地点) のデータについては、4, 8,12近傍の変数依存を仮定したモデルの推定が行えた。ただ、16近傍以上の依存関係を仮定した場合や、1度刻み (34330地点)のデータを用いた場合は、計算機資源(メモリ、計算時間)の面から実行が難しいことがわかった。

(3) 必要メモリの削減を目指して、領域を分割してグラフィカルモデルの推定を行うアルゴリズムの開発に着手した。領域をずらした推定を繰り返すことで、分割しなかった場合と同じ推定値を得る方法である。小次元の数値実験においては、分割推定のアルゴリズムが有効に働くことが確認できた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Y. Fujii, M. Kamachi, S. Matsumoto, S. Ishizaki (2012): Barrier layer and relevant variability of the salinity field in the equatorial Pacific estimated in an ocean reanalysis experiment. Pure Appl. Geophys. 169 (3), 579-594.

上野 玄太 (2012):On-line estimation of observation error covariance for ensemble-based filters. 第2回データ同化ワークショップ, JAMSTEC横浜研究所, 横浜, 2012年1月13日 (http://www.ism.ac.jp/events/2012/meeting0113.html).



研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催していない

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

碓氷 典久

気象研究所

蒲地 政文

気象庁気象研究所

土谷 隆

政策研究大学院大学