平成282016)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

28−共研−1021

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

1

研究課題名

非線形フィルタリングに対する数値近似手法の研究

フリガナ

代表者氏名

オギハラ テッペイ

荻原 哲平

ローマ字

Ogihara Teppei

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計思考院

職  名

助教

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

フィルタリング手法は、離散的な誤差のある観測から背後にある潜在変数の構造を特定する時に用いられ、画像処理やGPSシステムを始め、様々な分野に応用されている。しかし、フィルタリングを含むモデリングでは潜在変数を直接観測できないため、潜在変数に関する統計量を解析的に計算することが困難であり、オイラー近似などの何らかの数値近似手法を使うことが一般的である。本研究では非線形フィルタリングにおいて、潜在変数の統計量をデータから近似する際に、オイラー近似型の推定手法の誤差評価の漸近理論を研究している。
既存研究では、潜在変数 X と観測変数 Y が連続時間拡散過程で記述され、Y のドリフト項が X の非線形関数で書かれ、それにブラウン運動が拡散項として加わったモデルに対して、Y を観測した下での X のある関数の条件付期待値を数値近似する手法が研究されている。このケースでは条件付期待値のオイラー近似誤差は 1/n のオーダーで収束することが知られている。
本研究では、平成27年度までの研究において、Y のドリフト項が X と Y の非線形関数で書かれるようなケースにモデルを拡張したところ、一定の条件の下で条件付期待値のオイラー近似誤差は 1/n^(1/2)のオーダーで収束することを証明し、論文にまとめて投稿した。本年度は論文改訂作業に取り組み、研究成果の追加や修正を行い、再投稿した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1. Ogihara, T. and Tanaka, H., "The Euler method for continuous-time nonlinear filtering and stable convergence of conditional law", arXiv:1511.06520. (2015)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

田中 秀幸

立命館大学