昭和631988)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

63−共研−12

専門分類

2

研究課題名

統計データ解析エキスパートシステムの構成法に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ウチナミ セイイチ

打浪 清一

ローマ字

所属機関

九州工業大学

所属部局

情報工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

11 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

先の文部省特定研究『統計データバンク』で,統計データベースシステムに於いて,最近急激な発展を遂げている知識工学を導入し,エキスパートシステムを構築すれば,使いやすくなることが明らかになった。また前年度それらを更に詳しく要求分析を行った。本研究では,その内の4機能を持つ統計エキスパートシステムのシステム分析,システム設計を行い,基礎実験を行ってその構成法を明らかにすることを目的とする。


統計エキスパートシステムのシステム分析,設計をトップタウン的に行う為に,12月23日と,3月30日−31日と2回の研究会を開催した。第1回は6件,第2回は6件の発表があった。
討論された内容は,大別して2つあり,1つは,統計エキスパートシステムに関する,各研究者の見解や,試作システム等に関するもので,もう一つは,共同で行っている要求分析,システム分析,システム統計に関するものであった。
前者に関しては,中野氏から,計算の可能性の理論からすれば,統計エキスパートシステムは存在しないというISIの論文の紹介が有り,その正当性について議論された。試作システムに関しては,松田氏,小林氏,中野氏,宇田川氏のシステムが報告された。現在設計・試作されているシステムは,プロダクション型の支援あるいはチュータシステムが多かった。エキスパートシステムへの拡張法について議論されたが先ず格部分を作成し,使用しながらエキスパートシステムへ拡張してゆく手順を取ることが良いと確認された。
要求分析,システム分析に関しては,力宗氏がアンケートエキスパートシステムについて,小林氏がより大局的な立場から分析結果を報告,佐藤氏は統計的手法と機能推論との関連付けを報告した。
統計エキスパートシステムのプロトタイプシステムの概略設計に関しては,打浪が各種エキスパートシステムの長短の比較を行い,黒板モデルが統計手法の利用をガイドするシステムとしてふさわしいとの提案を行い,その実現性を皆で議論した。もう少し詳細なシステム分析,システム設計が必要である,との結論になり,平成1年度に更に詳しいシステム設計を行うことにした。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Hideto Satoh:“A Data Model,Knowledge,and Natural Language Processing for Sharing a large Statistical Database”Springer Verlag,Lecture Notes in Comp.
Sci.,No.339,M.Rafanell,J.C.Klensin,p.Svenson,(Eds.).Statistical and Scientific Data base Management,1989
中野純司:『知識工学技法を用いた重回帰分析支援システム』,応用統計学会 1989年度年会 1989.4.21於統計数理研究所


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度において,統計解析に知識工学を導入するには,どのようなものが考えられるのか,要求分析,システム分析を行った。
その結果,統計処理に於いて,(1)解析法をガイドする機能,(2)統計表の統合機能,(3)JCL自動生成機能,(4)統計モデル作成機能(実世界のデータをもとにモデルを作成,それより統計モデルを作成して,データ解析を行い,誤差を修正して最適な解釈モデルを構築することを支援するシステム)などが必要であることが分かった。これらの機能を含む統計エキスパートシステムについてシステム分析,設計,試作し,構成法を明らかにすると共に,試作システムの改善,普及を計る。
会合してシステム分析,設計を行うと共に,各自で得意な分野の研究を分担する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

宇田川 拓雄

北海道教育大学

岡田 雅史

徳島県工業試験場

硴崎 賢一

九州工業大学

刈谷 丈治

山口大学

小林 康幸

島根大学

佐藤 英人

東京国際大学

田村 義保

統計数理研究所

中野 純司

統計数理研究所

松田 孝子

石巻専修大学

力宗 幸男

神戸商科大学