平成212009)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

21−共研−2024

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

3

研究課題名

院内および地域がん登録情報利用における情報補完に関する研究

フリガナ

代表者氏名

オオノ ユウコ

大野 ゆう子

ローマ字

Ohno Yuko

所属機関

大阪大学

所属部局

大学院医学系研究科

職  名

教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

目的
 がん拠点病院の認可が進むとともに院内がん登録が普及し、従来地域がん登録が行われ ていなかった自治体でも登録の実施が始まっている。本研究では、地域がん登録の歴史もあり比較的がん医療が集中している長崎県がん登録を対象に、小児がんの罹患状況と医療圏を分析し、主要医療施設の院内がん登録による情報の補完のあり方を検討した。

結果の概要
 長崎県がん登録の2003年度のDCO(地域がん登録の精度を示す指標で死亡情報により初めて把握されたがん罹患者の割合を示す)は8.8%と我が国でも上位である。このデータベースに基づき1984年から2004年の期間を分析した結果、小児がんについては人口の減少(36万人から14万人)に比べ罹患者は1989年の58人をピークに2004には28人の減少となっていた。20年間を通じて年間罹患者の約50%の患者は特定の1施設で治療されており、全体の75%は県内4施設で治療されていた。この特定1施設について院内がん登録情報との照合を検討したが、当該施設自体の院内がん登録は2004年以降に整備が始まったとのことで院内がん登録と直接のデータ照合が難しいことがわかった(長崎県は担当者が直接、患者カルテから情報を収集する出張採録方式)。そこで院内がん登録責任者と地域がん登録に収集された小児がんデータを検討した結果、小児科以外で治療を受けた患者に登録漏れの可能性があること、特に放射線治療を受けた患者数が少ないことが明らかとなった。放射線治療患者はJASTRO(日本放射線腫瘍学会)調査により施設ごとに人数は把握できることから、そのデータベースとの照合を進める。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会発表

Utada, M., Ohno, Y., Hori, M., Tutui, A., Mochimaru, Y., Shiki, N., Soda, M.
Analysis of standardization and centralization of cancer treatment in Nagasaki Prefecture, 6th Asia Pacific Association for Medical Informatics, 6, 16. (2009)

歌田真依, 大野ゆう子, 清水佐知子, 筒井杏奈, 早田みどり.
長崎県における小児がん治療集中化の検討,
日本行動計量学会第37回大会抄録集, 204-205. (2009)

堀芽久美, 大野ゆう子, 清水佐知子, 志岐直美, 早田みどり.
長崎県におけるがん患者受療行動の分析,
日本行動計量学会第37回大会抄録集, 206-207. (2009)

歌田真依, 大野ゆう子, 堀芽久美, 志岐直美, 筒井杏奈, 持丸祐子, 早田みどり.
長崎県におけるがん治療均てん化と集中化の検討,
生体医工学シンポジウム2009講演予稿集, 148. (2009)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

中村 隆

統計数理研究所

松村  泰志

大阪大学