昭和631988)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

63−共研−60

専門分類

6

研究課題名

情報量統計の手法による地震活動の時空変化の研究

フリガナ

代表者氏名

イモト マサジロウ

井元 政二郎

ローマ字

所属機関

防災科学技術研究所

所属部局

地圏地球科学技術研究部

職  名

主任研究官

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地震活動に関して,情報量規準を用いた統計モデルの構築は端緒についたばかりである。本研究では,情報量統計の手法により,防災科学技術センターほか各研究機関で観測された地震資料を解析し,大地震前の地震活動の挙動を明らかにし,地震予知研究に資することを目的とする。


微小地震観測による震源カタログ(主として国立防災科学技術センター)を用いて,地震の規模別頻度分布の変化の時空間分布を調べた。地震規模とその頻度は通常〓なる関係でうまく表現される。対象時空間を小領域に分割し,各領域におけるb値を,ノンパラメトリックのベイズ統計手法により推定した。時間および空間に関する一次の階差が小さいとの条件を事前分布として採用し,ABIC最小の条件より,超パラメータの値を決めるb値の信頼区間の見積りに関する昨年度の検討結果に基づき,b値及びその信頼区間を求めるため,関東,東海,鳥取の各地域について再解析した。長野県西部地震(1984年9月14日M6.8)他いくつかのマグニチュード6級地震発生前にb値の低下がみとめられた。b値解析が地震予知手法としてどの程度役立つかを見積るために以下の様な簡単な計算を行った。時空間の小領域について得られたb値の状態を“変化なし”,“増加”,“減少”の3つのグループに分類した。この際,さきに求めた信頼区間を考慮した,ある簡単な基準を用いた。その結果,“減少”は全体のほぼ10%を占めている。また地震(M6)のおよそ半数が“減少”の状態に発生していること等が解り,b値の監視が地震予知手法として有望と結論される。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ABIC規準を用いて,微小地震観測資料について地震活動度あるいは地震規模別頻度分布の時空間変化の状態を調べる。これと,その地域に発生した大地震(マグニチュード6クラス)との関係を調べ,前兆的地震活動の検出に努める。
本研究では,時空間領域でのパラメータ推定が必要であり,大量パラメータの処理を高速に行う様アルゴリズムの開発,改善が必要となる。その際,解析すべき資料の特性を熟知して,これに当たらなければならない。これらを満たすために,共同研究が要請される。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

坂元 慶行

統計数理研究所