平成242012)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

24−共研−2065

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

3

研究課題名

新生児の自発運動の解析

フリガナ

代表者氏名

ナカノ ジュンジ

中野 純司

ローマ字

Nakano Junji

所属機関

統計数理研究所

所属部局

モデリング研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

90千円

研究参加者数

6 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 Prechtlら(1993)は、乳児の全身の動きをgeneral movements(以下GMs)と名づけ、GMsの症例研究を重ねるなかで、GMsには正常なパターンと異常なパターンがあることを示した。われわれは定性的に定義されるハイリスク乳児のGMsの特徴を、定量的に捉えることを目標にしている。GMsは、出産予定日後6〜8週時点で、その特徴を変化させるといわれており、ハイリスク乳児における予定日前後のwrithing general movements(以下writhing GMs)、および修正2ヵ月時点のfidgety general movements(以下fidgety GMs)、それぞれでのGMs評価の発達予後予測の信頼性について調べている。
 これまでに、極低出生体重児におけるwrithing GMs、およびfidgety GMsを撮りため、さらに予定日前後におけるGMs診断で異常性が認められた対象児の3歳と6歳時点のフォローアップデータを蓄積してきた。3歳時点での診断において、脳性麻痺や広汎性発達障害などの発達障害児が含まれることが明らかになった。しかし6歳時健診のデータと注意欠陥多動性障害や広汎性発達障害については、診断は6歳以降でなければ確定せず、疑いとして扱われた。また2回のGMsの撮影が可能であったデータ数はまだ少ないものの、fidgety GMsがより発達予後予測診断には重要である可能性を指摘してきた。
 今年度は、これまで蓄積してきたGMsのビデオとその軌跡処理を行ったデータに関して、いくつかの指標(速度、転がり、ジャギーなどを示す統計量)を計算し、それらの3歳児診断との関係を明らかにした論文をまとめることができた。また、同様の指標を使って6歳以降に確定する注意欠陥多動性障害や広汎性発達障害などとの関係も検討した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

木原秀樹、中村友彦、極低出生体重児の発達予後から見た新生児・乳児期の発達の経過、
第47回理学療法学術大会(兵庫県・神戸市、2012/5/27) 

Kanemaru, N., Watanabe, H., Kihara, H., Nakano, H., Takaya, R., Nakamura, T., Nakano, J., Taga, G., Konishi, Y. (in press) Spontaneous movements in preterm infants at term age are associated with developmental delays at 3 years of age. Developmental Medicine & Child Neurology.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

GMs について、2012年9月22日(土)10:00-17:00 、統数研サテライトオフィス(八重洲ダイビル)、5人

GMs について、2012年10月20日(土)10:00-17:00 、統数研サテライトオフィス(八重洲ダイビル)、7人

GMs について、2013年3月14日(木)10:00-17:00 、統数研サテライトオフィス(八重洲ダイビル)、8人

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

木原 秀樹

長野県立こども病院

小西 行郎

同志社大学

多賀 厳太郎

東京大学

高谷 理恵子

福島大学

中野 尚子

杏林大学