平成222010)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

22−共研−3

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

1

研究課題名

逐次解析問題,ノンパラメトリック関数推定問題

フリガナ

代表者氏名

イソガイ エイイチ

磯貝 英一

ローマ字

ISOGAI EIICHI

所属機関

新潟大学

所属部局

自然科学系・理学部・数学科

職  名

教授

 

 

研究目的と成果の概要

未知な母平均と母分散をもつ正規分布において,母平均の区間推定問題を考える.任意に与えられた区間幅と信頼係数をもつ信頼区間を構成するとき,最小の標本の大きさには未知な母分散が含まれるため,実際にはこの最適な標本数を利用することができない.また,標本の大きさを固定した場合,与えられた条件を満たす信頼区間は構成できないことが知られている.そこで,先行研究で提案されている修正二段階法を用いてこの問題を解決する.本研究では,母分散の下界が既知であるという仮定の下で,修正二段階法を用いて信頼区間を構成し,この信頼区間が与えられた条件を満たすという一致性を示した.さらに,区間幅が十分小さいとき,修正二段階法における平均標本数と最適な標本数の差の3次の漸近展開を与え,かつ被覆確率の3次の漸近展開も導出した.先行研究で得られた2次の漸近展開と比較すると,次のことが分かった.
1.2次の漸近展開では,母分散の下界と被覆確率の関係が不明確であったが,3次の漸近展開により,母分散の下界と被覆確率の関係が明確になった。
2.シミュレーション結果を通して,3次の漸近展開は2次の漸近展開に比べて精度が良い.
これらの結果はCommunications in Statistics - Theory and Methods (2011年)に掲載予定である.