平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−54

専門分類

7

研究課題名

アニマルモデルを用いた総合能力評価の研究

フリガナ

代表者氏名

ワダ ヤスヒコ

和田 康彦

ローマ字

所属機関

農林水産省畜産試験場

所属部局

育種部

職  名

主任研究官

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年、畜産農家の間からは生産形質のみならず繁殖形質や長命性などの諸形質をも含めた総合的な能力評価を求める声が強まっている。そこで、アニマルモデルを用いた総合能力評価を全国規模で実施する場合の問題点を情報量統計学などを用いて検討する。


泌乳形質以外の形質を含めた総合的な遺伝能力評価のための基礎データとして、経済形質と体型審査得点形質について、制限付き最尤法(Restricted Maximum Likelihood Method;REML)を用いて遺伝率、遺伝相関を算出し、それらの遺伝パラメータを用いて主成分分析を実施して、形質のグループ化を試みた。
牛群検定データと体型審査データを結合させたデータセットから、牛群コードの下1桁を使って抽出した2394件のデータを材料とした。分析モデルには、牛群・審査日の母数効果、審査月齢の母数効果、泌乳ステージの母数効果、個体の変量効果、残差を含めたアニマルモデルを使用した。遺伝率、遺伝相関はDerivative-freeアルゴリズムを使用しているDFREML 2.0を用いて計算した。主成分分析の計算にはSASを使用した。
乳量、乳脂量および体型審査得点形質についてはおおむね以前に報告されている数値に近い値が推定された。乳量、乳脂量と決定得点の間の遺伝相関は-0.09,0.03とどちらも極めて低い値であった。主成分分析によって求めた第1および第2主成分スコアをプロットした結果、泌乳形質と体型審査得点形質の2つに大きく分かれた。また。体型審査得点形質の中では体積がやや他の得点形質と離れた位置にプロットされた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

総合的遺伝能力評価のための基礎情報整備検討会、総合的遺伝能力評価のための基礎情
報整備検討概要、(社)家畜改良事業団、平成7年3月(発行予定)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

アニマルモデルの制限付き最尤法を用いて全形質わたる遺伝分散共分散行列などを算出し、形質間の遺伝的な関連性について検討する。そして、それらの情報をもとに多形質アニマルモデルによって総合能力評価指数を算出する手法について検討する。統計数理研究所は情報量統計学を創始された研究所であるが、家畜育種分野のように形質値の他に血統情報や遺伝パラメータのような補助的な情報を有効に利用する必要のある分野では情報量統計学はきわめて有効であり、情報量統計学のパイオニアである統計数理研究所と共同研究を実施する意義は極めて大きい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

柏木 宣久

統計数理研究所