昭和601985)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

60−共研−51

専門分類

9

研究課題名

大気汚染濃度分布のリアルタイム予測

フリガナ

代表者氏名

ノダ カズオ

野田 一雄

ローマ字

所属機関

明星大学

所属部局

理工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

17 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

大気汚染濃度の時空間分布の実時間予測は,汚染源を規制し,環境を保全していくために,必要不可欠な作業である。現在のところ実時間レベルでの予測は,予測モデルが不完全であるために,最終的には手作業によっているが,本来的には,予測システムの自動化が必要である。本研究では,自動化された予測システムの設計を終局的な目的としつつ,そのために必要な事項について,効果的なモデルの構築を中心として,調査・研究を行なう。


野田/一雄
今年度は地域代表性を研究対象とした。
都内には35の一般測定局と各幹線道路に自動車排ガス測定室がある。一般測定局は比較的広域的な濃度レベルを測定しようとするもので,自動車排ガス測定室は道路際の様子を掴むものである。これらの測定局の地域代表性が以前から議論されてきた。一般測定局に対しては互いの相関が見られた。また道路際に対しては都内何か所かで比較的小さな範囲の数ケ所に測定点を設けて道路からの〓(〓)の移流拡散の様子が調査されている。
私たちはこの中から56年2月9〜11日にわたり滝野川地区で行われた調査のデータを解析している。明治通りを中心に付図の場所で測定が行われている。手始めにこのデータを選択した理由は,終日北風で風向は考えなくて良いことと雨天がないことである。
以下を調べた。
(1)化学発光法(精密測定)とザルツマン法(通常測定)の比較:低濃度で後者が過大になることを見た。高濃度では問題はない。
(2)高度1.5,3.0,5.0mのデータの比較:ほぼ同一と見て良い
(3)道路の南5ケ所の60時間のデータから時間−空間の分散分析を行った:時間効果として2/9,10の朝夕のラッシュの影響が見られた。2/11は祭日の為これがない。
空間的には道路から40m離れるとほとんど影響を受けない為,道路際の解析に焦点を絞った。
(4)道路際3ケ所のデータを比較した。
(5)道路際のデータを自動車走行台数で回帰させた:乗用車,小型貨物,大型貨物車に別れるが後者2つは相関が高い為,前2者のみを用いた。ここではラッシュ時のピークが説明し切れなかったが,これは車の走行速度が考慮されていないこと,或は幾分逆転層の影響もあるかも知れないと思われる。
(6)風速の影響を見た。
今後これを掘り下げると共に他の季節,地点との比較も行いたいと思っている。特に(5)の逆転層の影響の有無は夏のデータを調べることにより判定がつくと思われる。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

大気汚染に関する監視システムは,既に行政当局によって,実用化運用されている。ところが,大気汚染に関する多くの問題が,依然未解決であるために,測定データは十分に活用されていない。第一に,測定局の観測値が,その周辺の地域をどれだけ代表しているかという,最も基本的なデータ構造すら分かっていない。
基礎的なデータ解析のための期間として3年を予定しているが,先ず本年度は,測定局の地域代表性を明らかにするために,次の役割分担によって,共同研究を行なう。
1.東京都環境科学研究所・・・データ収集。既に,格子点上(50m間隔)での測定が開始されている。
2.統計数理研究所・・・地域代表性を表現するためのモデル構築


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

赤池 弘次

統計数理研究所

石黒 真木夫

統計数理研究所

伊藤 政志

東京都環境科学研究所

岡崎 卓

統計数理研究所

尾崎 統

統計数理研究所

柏木 宣久

統計数理研究所

岸野 洋久

東京大学

北川 源四郎

統計数理研究所

清宮 隆治

東京都環境科学研究所

坂元 慶行

統計数理研究所

多賀 保志

(財)日本鯨類研究所

田辺 國士

統計数理研究所

種村 正美

統計数理研究所

田村 義保

統計数理研究所

廣崎 昭太

国立環境研究所

松本 幸雄

国立環境研究所