平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−104

専門分類

9

研究課題名

生活環境中濃度の測定と推定の基礎

フリガナ

代表者氏名

ヤナギモト タケミ

柳本 武美

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

11 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

環境中の化学物質の安全性は現実の生活環境中での当該物質の暴露濃度と関係する。平均的な濃度と共に集中的な暴露を推定することが重要である。昨年度に研究を行った上に立ってもう少し突っ込んだ研究を行う。


生活環境中の化学物質の濃度測定は各地点での測定データを得ることが基本である。一方現在の高度に組織化された社会、またデータ処理が容易な社会にあっては供給サイドのデータから推定する試みが重要になっている。化学物質の生産と流通経路を重視する。この研究の提案は工技院の環境資源研の研究者との共同研究として行われた。同研究所のプロジェクトとの関係で研究された。本年度は塩化ビニール等に加えて特に環境ホルモン物質についての研究を行った。
共同研究は統計研究者サイドからの助言としては有効であったと考えられるが、より具体的な研究成果としては不充分であったと判断せざるを得ない。この原因は入手データの制約が当初の見込みよりも強いことである。従って研究班としての活動は中断して改めてより基本からの共同研究を探ることとしている。
統計学の立場からは生体への影響特に若年者への影響評価及び測定データの信頼性の評価の問題がある。参加メンバーの関心はむしろ生体影響に関係し、特に環境中濃度分布が高くなるための要因にある。現在の方法は定点観測と計算機シミュレーションにある。環境ホルモンについてはその感受性から乳児への影響が問題となる。ゲストとして長山九州大助教授を加えて研究を行った。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

この研究では経済社会の中にあって商品中に含まれる化学物質という視点の下に使用実態に則した暴露の推定方法についての基礎的な研究を行う。今日の高度組織化社会の中で要請の強い問題である。流通経路に着目した方法は、通常の方法である最終消費者の周辺の濃度測定、による方法と異なる。勿論通常の方法に利点はあるが、全体的な暴露の推定では流通からの視点が有効と考えられる。実際の要請に刺激された研究であるが、専らその基礎的で計量的な研究である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大瀧 慈

広島大学

越智 義道

大分大学

長山 淳哉

九州大学

比江島 欣慎

山梨医科大学

藤井 良宜

宮崎大学

藤田 正一郎

放射線影響研究所

水上 善博

滋賀大学

山添 史郎

滋賀大学

山本 英二

岡山理科大学

米沢 義 

資源環境技術総合研究所