昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−60

専門分類

7

研究課題名

家蚕繭重の統計遺伝学的研究,特に交雑後代における表現型分離との関係について

フリガナ

代表者氏名

ナカダ トオル

中田 徹

ローマ字

所属機関

 

所属部局

職  名

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

農業生物における有用型質の発現にはその大半が計量的に示されるが,これを支配する遺伝的・環境的要因は輻輳しており,その解析には種々の統計学的手法が要求される。
カイコにおける絹生産の基礎となる繭の重量発現についても同様,個体間・系統間の差を統計的に把握することが,その遺伝分析や品種育成に不可欠であり,これらの問題を解明することが,本研究の目的である。


農業生産の基礎となる生物の成長や物質生産は,各種の手段が試みられ,その成果は品種改良として示されており,対象生物に応じた育種学的研究が行われている。
カイコは絹生産のために飼養されている農業生物であり,特に日本では品種改良や飼育法の研究が世界でもっとも進んでいるが,その反面,他の生物と同様に物質生産の基礎となる計量的形質の遺伝的支配と発現については今後解明しなければならぬ問題が多い。著者は以上の問題について検討をすヽめ,とくに大型コンピューターの開発と情報数学の進歩は有効な分析手段として必要不可欠と考えている。
カイコはn=28の染色体をもち,現在までの遺伝学的研究により多くの一般形質遺伝子の座位が知られているが,絹生産の基本となる繭の重量発現を支配する遺伝子の存在とその推定法については殆んど未知の分野に属する。そこで,いくつかのマーカー遺伝子を持つ系統間の交雑を行ない,その後代にみられる各種の表現型における繭の重量を調査して,染色体又は遺伝子レベルでの重量発現の程度を数学的に評価して,間接的に量遺伝子の存在を推定する方法を開発している。さらに継代交雑実験を続けて,有効遺伝子の蓄積やヘテローシスに関する検討を行なった。本年の結果では第2,10,11,13染色体に座位する遺伝子をマーカーとして連続戻し交雑をつヾけたところ,第11染色体のK遺伝子の作用の解析に成功し,また世代の推移と量的発現との関係についても知見を得ることができた。そこでさらに異なる交雑組合せについても検討をつづけている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

T.NAKADA(1975)
Untersuchunger 〓ber die statistische Vererbung des Kokongewichts von Seidenraupen,Bombyx iuori L.,J.Fawl.Agr.Hokkaido University vol58:101−201


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

農業生物における有用型質の発現にはその大半が計量的に示されるが,これを支配する遺伝的・環境的要因は輻輳しており,その解析には種々の統計学的手法が要求される。
カイコにおける絹生産の基礎となる繭の重量発現についても同様,個体間・系統間の差を統計的に把握することが,その遺伝分析や品種育成に不可欠であり,これらの問題を解明することが,本研究の目的である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

村上 征勝

統計数理研究所