平成162004)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

16−共研−2009

専門分類

1

研究課題名

混穫された鮫やイルカの数への拡張Zero-Inflated Poisson 回帰モデルの適用

フリガナ

代表者氏名

ミナミ ミホコ

南 美穂子

ローマ字

Minami Mihoko

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計基礎研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は、赤道を挟んだ東部太平洋水域で行われるマグロ巻網漁で混穫された鮫や
イルカ(bycatch sharks and dolphins)の数に関する解析を目的する。データは
Inter-American Tropical Tuna Commission(IATTC)のCleridy Lennert-Cody博士よ
り提供されたものである。混穫されるイルカや鮫の数の分布の大きな特徴は、非常に0
の観測数が多いことである。マグロの集団とイルカや鮫の集団が同じ海域に生息してい
なければ、混穫はない。もし、同じ海域に生息しているとすると、混穫されるイルカ数
は何らかの確率分布に従うと考えられる。このような特徴のデータに対して考えられる
モデルとして、Zero-Inflated Poisson(ZIP)回帰あるいはZero-inflated負の2項回
帰(ZINB)モデルがある。このモデルは、0の値だけを取るデルタ分布とPoisson回帰
(または、負の2項回帰)モデルに従う分布の混合を考えるものであり、どちらの分布
に属しているのかを表す変量の値が、一部は既知(正の値を取った場合は、Poisson回帰
モデルに従う)、一部は未知(0の場合は、どちらかわからない)という特徴がある。本
研究では、鮫とマグロが同じ海域に生息していたかどうか、又、同じ海域に生息してい
たときの混穫の鮫数に対して、位置、温度、マグロ量、漁船、観測者などの共変量がど
のように影響しているのかを解析し、ZIP,ZINB回帰モデルの拡張を行う。
 マグロの群れを探す方法としては、マグロの群れ自体を探す、イルカを目印とする、
マグロが集まるよう海上に木組みの浮遊物を浮べる、の3つの方法がある。本年度は、
浮遊物を浮べる方法によるマグロ漁の1993年から2003年の11年分の混獲データの解
析を行い、モデルによる予測分布は実際のデータの分布に近いものが得られた。現在は、
サメの混獲の傾向に関する解析を進めるとともに、他の2つの方法による漁のデータの
解析を行っている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

C.E.Lennert-Cody,M.Minami and M.A.Hall(2004),
Incidental Mortality of dolphins in the eastern pacific ocean purse-seine fishery:
correlates and their spatial association.Journal of Cetacean Research Management,
6,2,151-163
南 美穂子(2005)混獲されたサメの数の解析。東京理科大学 科学フォーラム,2月号,18-23
南 美穂子(2004)混獲されたサメの数の解析。2004年度統計関連学会連合大会 報告集,508-509

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

金澤 光代

福井大学