平成282016)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

28−共研−1004

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

7

研究課題名

高頻度資産リターンにおけるジャンプとボラティリティの分析

フリガナ

代表者氏名

ヨシダ ヤスシ

吉田 靖

ローマ字

Yoshida Yasushi

所属機関

東京経済大学

所属部局

経営学部

職  名

教授

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

金融証券市場などの高頻度データの分析において,ジャンプの存在が多くの研究により指摘され,ジャンプを考慮したボラティリティの推計が課題となっている.本研究ではこの解決策の一つである,切断実現ボラティリティを推計した.後述の1)において,大阪取引所の日経225 先物と日経225mini の2011 年12 月限の,2011 年9 月8 日から2011 年12 月7 日までの60 営業日のイントラデイのデータを使用し,2)では,2014年7月22日から10月27日までの東京証券取引所のTOPIX100構成銘柄の高頻度データを使用して,切断実現ボラティリティの計測を行った.その結果,株価および株価指数先物の変動にはジャンプの影響が大きいことを示す結果となった.しかし,観測時間間隔を短くするに従って切断実現ボラティリティが小さくなる現象も同時に観測され,切断実現ボラティリティを正確に計測するための観測時間間隔と閾値の最適な選択には残された課題があることと,日経225 先物と日経225mini では切断実現ボラティリティの値が異なる原因の分析などは今後の課題である.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1)
「日経225先物と日経225miniの切断実現ボラティリティの推定」、『先物オプションレポート』、大坂取引所、2016年10月号(Vol.28 No.10)
http://www.jpx.co.jp/derivatives/futures-options-report/archives/nlsgeu000001eqjz-att/rerk1610.pdf

2)「切断実現ボラティリティの推定と観測時間間隔-日本株式による実証分析-」、
『統計数理』、第65巻 第1号、2017、特集「高頻度金融データに基づく統計的推測とモデリング」

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

川崎 能典

統計数理研究所