平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−67

専門分類

7

研究課題名

General State-Dependent Model の医学応用に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ワダ タカオ

和田 孝雄

ローマ字

所属機関

稲城市立病院

所属部局

職  名

病院長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

従来、申請者らは多変量自己回帰モデルを用いて生体内ネットワークの解析を行い、かなりの成果をあげて来た。
しかし、医学データの多くは非線形性を有しているため、線形モデルのみに頼ることには問題がないとは言えない。そこで、日常遭遇する医学データにどのような非線形性が、どの程度関与しているかを検定するための汎用的な解析法を開発するために研究を行う。


心拍の波のピークとピークの間隔を計測したR−Rレコードと呼ばれる医学時系列を非線形性、非定常性、非ガウス性など種々の角度から解析をすすめた。解析に用いたデータは、被験者を休息状態と負荷状態とに交互に置き、そのR−Rを継続して計測したものである。
今年度の研究で以下の様な知見を得た。1.休息と負荷状態ではレベル(トレンド)に明らかな違いがある。2.休息状態とR−R間隔にはトレンドの他にわずかの低周波特性とわずかの中高周波特性がみられるが、負荷状態では殆ど白色雑音に近い。3.休息状態のノイズ特性のパルス的非ガウスノイズ特性が、顕著にみられる場合がある。
以上の結果を医学的特徴づけと結びつけつつ、統計モデルとして、どう発展させていくかが今後の課題である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

従来、尾崎らが行って来た非線形系の解析手法を、多変量系に拡張することに主眼をおく。
まず臨床で得られた心電図のRR間隔の変動に非線形性がどの程度関与しているかを調べる。すでに過呼吸状態においては、非線形性が大きく加わることが、バイスペクトル解析によって確認されているので、これについて、上記手法が実用的な解析手法となり得るか否かの検討を行う。
ついで、非線形性の関与がよく知られている免疫系(多変量系)について、各種リンパ球の変動解析を中心に研究を行う。また、非線形モデル解析には、どの解析対象となる単一の系から出力される多種のデータが要求されるが、生体の解析では、これが不可能な場合も多い。そのような場合を想定して、最終的にはGMDH(group method of data handling)の手法も取り入れたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

尾崎 統

統計数理研究所

小泉 和正

稲城市立病院