平成21990)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

2−共研−42

専門分類

5

研究課題名

非晶質合金の原子構造の統計的研究

フリガナ

代表者氏名

サトウ ヒロカズ

佐藤 洋一

ローマ字

所属機関

愛知教育大学

所属部局

教育学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

単純金属の非晶質合金の原子構造の理論的解明を行う。〓などの液体合金を急冷する計算機シュミレーションを行い,その途中の各温度での原子配列座標のデータを(1)動径分布関数(2)構造因子(3)Voronoi多面体分割法で処理し,原子構造の統計的分布などを研究する。
さらに,この低温での原子構造での原子振動(フォノン)のスペクトルの分布構造を研究する。現在,X線を利用した構造因子および電気抵抗(温度依存性を含む)があるので,これらと比較できるような結果を計算する。


非晶質合金系の原子構造の統計的研究を理論的モデルに基づき実施を行った。
非晶質合金として〓等を選んだ。液体急冷法により試料が作られ,実験的に研究が一程程度なされているためである。
昨年度の共同研究の成果に基づき,8,000個の合金原子系を設定し,計算機により,原子の構造緩和により,原子の位置を決定し,統計的分析のためのデータとした。昨年度,独自に作成したVoronoi多面体分割法のプログラムをさらに改良し,8,000個の多面体の体積,面数,一面当りの角数を調べ,その統計的特徴を解明した。すでに研究がなされている単原子系の液体金属のVoronoi多面体解析結果と比較すると,面数,角数は平均値に関する限りほゞ一致することがわかった。これが一般的結論か否か,現在3原子系の非晶質合金系で検討中である。
さらに,ガス状分布の原子系(たとえばランダム配列とした金属,一つのモデルで現実には存在しないが)の特徴と比較するため,8,000個の系でVoronoi多面体を作成し,体積分布等の数学的特徴の研究を現在,続行中である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

“Effect of reduction in grain size on electron transport properties in Cu−based fcc alloys”をJournal of Non−Crystalline Solidsの雑誌に投稿・掲載
“Method of statistic on Voronoi polyhedra in disordered systems and its application to 〓 amorphous alloy”愛知教育大学研究報告掲載


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

4月に,本研究の全体的打合せと,今回初めて着手する原子振動の統計的研究の具体的手法について議論をする。
8月までに,高温から冷却していく各段階での原子配列のシュミレーションの実施平成元年度の,共同研究で開発した原子数の多い場合のシュミレーション・プログラムで行う。一万個程度の原子集団で行うが,これは統計的意味をもち,現実の観測値に対応しうるものにするためで,貴研究所の大型計算機を使用させていただくことにより可能となるシュミレーションです。
9−12月までに,得られた原子配列座標をもとに,原子間のポテンシャル関数の2階微分より調和振動のバネ定数を求め,格子(原子)振動の個有値を求めるプログラムの開発およびその実行を行う。1−3月には,本研究のまとめを行う。統計的考察が必要な内容のため,有益な議論ができる貴研究所を利用させていただくことが必要です。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所