平成192007)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

19−共研−2026

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

6

研究課題名

体力運動能力・BMIのコウホート分析

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ タカシ

中村 隆

ローマ字

NAKAMURA, Takashi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

72千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年,過体重・肥満や体力低下が,中高齢者だけではなく,就学期の子供にとっても無視できない問題として認識されている.これら過体重・肥満と体力運動能力には高い逆相関が認められ,体力低下は筋量の減少もしくは体重増加に比例している.過去20年間に,日本人男性の肥満割合は上昇傾向にあり,肥満の指標であるBMI(Body Mass Index:25.0以上になると過体重,30.0以上になると肥満)が25.0以上の日本人は約2倍になり,24.9%に達している.肥満化や体力低下の要因として,食生活の欧米化・生活環境・ライフスタイルの変化,運動不足などの生活習慣の変化が指摘されてきたが,体力運動能力・BMIの変化の構造(加齢・時勢・世代差要因の影響)は明らかにされてこなかった.
そこで本共同研究では,第1に1939年からほぼ毎年実施されてきた体力運動能力調査(文部科学省)データから,子ども・青年・成人・壮年までの一貫して測定されてきた体力・運動能力などについて,また第2に国民栄養調査データからBMI(Body Mass Index)について,コウホート分析をおこない,各々の変化の構造を解明することを目的とした.
今年度は,特に反復横飛び,垂直跳びを中心としたコウホート分析と,BMIについてのコウホート分析をおこない,これらの結果から,反復横とび,垂直跳びでは体力低下の傾向が認められないこと,BMIでは男女で効果の推定値で異なった傾向であることを報告した.また,発育発達学会の月例報告会では「50m走,持久走,急歩,身長,体重」について研究報告をおこなった.さらに,発育発達学会誌では,「体力・運動能力の変化に対する年齢・時代・コウホート効果の分離〜反復横飛びに着目して〜」(「子どもと発育発達」,5巻4号)により,男女間で年齢・世代効果で異なった傾向を有していること,1998年以降の新体力テストの影響が時代効果に大きく作用していることを報告した.「日本人の体格の推移に関するコウホート分析〜BMIに着目して〜」(同号)では,年齢・時代・コウホート効果全て男女に異なった傾向が認められることを報告した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

○ 日本人の体力・運動能力の変化に対する年齢・時代・コウホート効果の分離, 日本体育学会第58回大会号, 250. (日本体育学会, 神戸市:神戸大学六甲台キャンパス, 2007/9/7)
○ 日本人のBMIの推移に対する年齢・時代・コウホート効果の分離, 日本体育学会第58回大会号, 250. (日本体育学会, 神戸市:神戸大学六甲台キャンパス, 2007/9/7)
○ 体力・運動能力の変化に対する年齢・時代・コウホート効果の分離〜反復横飛びに着目して〜, 子どもと発育発達, Vol.5, No.4, 232-233, 2008.
○ 日本人の体格の推移に対するコウホート分析〜BMIに着目して〜, 子どもと発育発達, Vol.5, No.4, 234-235, 2008.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

菊池 秀夫

中京大学

坂口 俊哉

中京大学

山本 達三

愛知学泉大学