平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−17

専門分類

1

研究課題名

多変量統計解析における数値的計算法の研究

フリガナ

代表者氏名

コニシ サダノリ

小西 貞則

ローマ字

所属機関

九州大学

所属部局

大学院数理学研究科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

10 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多変量データを有効に分析するための統計手法開発を目的として研究を行う。関連して起因する統計的推測、統計的モデルの構築統計的数値計算法の理論と応用の研究を行ない、可能な限り緩やかな仮定のもとで、より複雑な問題に対して適用できる手法開発をめざす。


前年度までの研究成果をふまえ、統計的数値計算法に関して理論的・数値的両側面から考察し、以下のような研究を行った。
(1)計算機の発展・普及にともない、あらゆる分野でより複雑かつ高次の情報処理の必要性が生じ、最尤法の枠をはずしたモデル、ベイズアプローチによるモデル等、多様な統計モデルの構築が試みられている。このような状況に対応して、ここでは、様々なモデルを評価するための規準構成を目的として、基礎理論研究を行なった。
その結果、ロバスト推定量、Penalized likelihood、ベイズアプローチに基づいて構成されたある種の予測分布等に対する評価規準の構成法を、情報量規準の枠組みの中で提唱することができた。
(2)因子分析における因子負荷量、独自因子の分散の推定量の変動を有効に捉えるために、ブートストラップ法の適用を検討した。その結果、バイアス推定、分散推定、信頼区間の構成に関して、実際上どのような状況で手法が有効に働くかを明らかにし、また適用上注意を要するいくつかの点を指摘することができた。さらに、主成分分析における変数間の類似性を因子負荷量を通して検討する問題に対して、因子負荷量の確率変動を考慮に入れた分類手法を提示した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

久保川達也、江口真透、竹村彰通、小西貞則(1993)。統計的推測理論の現状。日本統計学会誌22巻,257-312.
Ichikawa,M. and Konishi,S.(1994). Application of the bootstrap methods in factor analysis.Psychometrika 掲載予定

小西貞則、予測誤差推定とブートストラップ法、日本統計学会、1993年7月
本多正幸、小西貞則、判別分析における誤判別率推定の安定化法、日本統計学会、1993年7月
小西貞則、統計モデルの構築と評価規準、科研費シンポジウム「統計科学:最近の発展」、1994年1月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

上記研究目的にそって、種々の問題解決と新しい統計手法の開発をめざして、主として次の様な研究を行なう。(i)主成分分析、因子分析におけるブートストラップ法に基づく推測論の研究、(ii)判別分析に於ける有効な非線形判別式の構築と予測誤差推定、(iii)ブートストラップ、ジャックナイフ、交差検証法などの手法の理論的、実験的側面の研究と新たな問題への適用可能性の検討、(iv)数値的計算法の研究上必要とされる乱数、モンテカルロ法、数式処理システムに関する研究。
以上の研究を実施するに当たっては、関連する分野の研究者との研究協力が必要で、相互に討論しアイデアを交換し研究を推進する、共同研究として実施する必要がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

鎌倉 稔成

中央大学

工藤 昭夫

東海大学

塩谷 實

明星大学

清水 邦夫

東京理科大学

中村 忠

島根大学

仁木 直人

東京理科大学

早川 毅

一橋大学

布能 英一郎

関東学院大学

本多 正幸

千葉大学