平成292017)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

29−共研−5006

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

3

研究課題名

生体信号・イメージングデータ解析に基づくダイナミカルバイオインフォマティクスの展開

フリガナ

代表者氏名

キヨノ ケン

清野 健

ローマ字

Kiyono Ken

所属機関

大阪大学

所属部局

大学院基礎工学研究科

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

318千円

研究参加者数

30 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年の非侵襲生体計測技術, イメージング技術の発展は目覚ましいものがあり, そのような技術の医用診断への応用が期待されている.しかし, 測定された振舞いの解釈は線形理論を中心とした従来法では困難な場合が多く, 生体計測技術を役立てるためには, 観測された信号から有用な生体情報を抽出するための新たな解析技術が必要となる. さらに, そのような技術が実際の医用診断に役立つかどうかを検証するためには, 医学/生理学的な知見を踏まえ, 臨床的研究を含んだ形で実証的研究を積み重ねる必要がある. 本研究集会では,そのような動的生体情報の臨床応用に関連した問題について, 学際的な視点からその解決策を探ることを目的としている.本研究集会では, 連携の可能性のある異分野の研究者間の交流を促し, 医用診断への応用のための問題意識の共有化を目指している. また, 問題解決のための手懸かりが他分野の方法論や知見からえられることも期待している. このような点が本研究会開催の意義であり, 専門分野の研究集会にはない特色である.

本研究集会は平成29年10月26日(木),27日(金)の2日間,統計数理研究所3階 セミナー室5において開催した.
プログラムの内容は以下である.
10月26日
13:10-13:40 生体イメージングデータに対する深層学習の応用
新岡 宏彦 (大阪大学)
13:40-14:10 脳波と非線形回帰アルゴリズムを用いたマインドワンダリング強度の推定
川島 一朔 (早稲田大学)
14:10-14:40 側頭葉てんかん患者における皮質脳波のコネクティビティ解析
吉田 久 (近畿大学)
14:50-15:20 脳波データにおけるてんかん波の検出
岸田 邦治 (岐阜大学名誉教授)
15:20-15:50 基礎体温時系列に基づく月経周期の予測モデル
深谷 肇一 (統計数理研究所)
15:50-16:20 レートと振幅が変調されたパルス状電気刺激に対する聴神経モデルのスパイク応答
簑 弘幸 (関東学院大学)
16:30-17:00 長時間相互相関の解析法の開発と生体信号解析への応用
辻本 裕 (大阪大学)
17:00-17:30 3次元スクロール波の特異点ダイナミクスの複雑さとフィイラメントの生成死滅過程
金野 秀敏 (筑波大学名誉教授)
10月27日
9:20-9:50 生体情報と気象情報を統合した熱中症リスク管理システム
植田 隼平 (大阪大学)
9:50-10:20 多重スケールSavitzky Golayフィルタを用いた生体信号の波形形状解析
藤田 壌 (大阪大学)
10:20-10:50 早産児の睡眠脳波と心拍変動の関係
佐治量哉(玉川大学)
10:50-11:30 心房細動患者の心拍変動のサンプルエントロピーの物理学的解
松岡 亮 (関西学院大学)
11:30-12:00 コンピュータシミュレーションを用いた心臓電気現象の理解を目指した取り組み
稲田 慎 (姫路独協大学)
13:30-14:00 Nonlinear filtering for Ballistocardiography and other biosignals
Yu Yao (University of Zurich andETH Zurich)
14:00-14:30 脈波計測手法が誤差率に与える影響について
前田 祐佳 (筑波大学)
14:30-15:00 模倣学習における教示者-学習者インタラクションのシステム同定
岡崎俊太郎 (早稲田大学)
15:10-15:40 大脳皮質ネットワークにおける情報流の解析
吉田崇将 (東洋大学)
15:40-16:10 時空間脳内ダイポールイメージングによる視覚誘発電位の伝搬経路の可視化
齋藤翔太 (新潟大学)
16:10-16:40 視覚誘発電位を用いた運動錯覚の検出
百瀬桂子 (早稲田大学)
16:40-17:10 Detection of irregularly firing inspiratory neurons in the pre-Botzinger complexbased on spatio-temporal optical imaging data analysis
三分一 史和 (統計数理研究所)

講演者を含めて合計で34名の参加があり,各講演において活発な議論が行われた.細胞レベルから心理学的な人の認知にいたる幅広い領域の講演があり,異分野の交流という点でも意義があった.講演内容をリポートとしてまとめ,複数の大学に配布した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

本研究集会と関連した研究成果を,統計数理研究所共同研究リポート408「生体信号・イメージングデータ解析に基づくダイナミカルバイオインフォマティクスの展開」としてまとめ,大阪大学,早稲田大学,近畿大学,関西学院大学,筑波大学,東洋大学,新潟大学,姫路独協大学などに配布した.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

相原 孝次

株式会社国際電気通信基礎技術研究所・脳情報通信総合研究所・脳情報解析 研究所

稲田 慎

姫路獨協大学

内山 祐介

筑波大学

岸田 邦治

岐阜大学

小林 茉以

電気通信大学

金野 秀敏

国立大学法人筑波大学

斎藤 翔太

新潟大学大学院

島谷 哲史

大阪大学

杉野 寿樹

近畿大学大学院

杉野 寿樹

近畿大学

孫光鎬

電気通信大学

高木 智弘

近畿大学大学院

武田 祐輔

株式会社国際電気通信基礎技術研究所・脳情報通信総合研究所・脳情報解析 研究所

田中 綜一郎

近畿大学大学院

田中 尚樹

東洋大学

田村 義保

統計数理研究所

辻本 裕

大阪大学大学院

飛松 省三

九州大学

藤本 仰一

大阪大学大学院

戸次 直明

早稲田大学

堀 潤一

新潟大学

松岡 亮

関西学院大学

三木 裕貴

大阪大学

簑 弘幸

関東学院大学

三分一 史和

統計数理研究所

百瀬 桂子

早稲田大学

八名 和夫

法政大学

吉田 久

近畿大学

吉野 公三

関西学院大学