平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−84

専門分類

7

研究課題名

適度な運動と健康教育を中心とした健康増進運動とその効果の把握に関する研究

フリガナ

代表者氏名

マチダ カズヒコ

町田 和彦

ローマ字

所属機関

早稲田大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

数十年後の日本は人類がかって経験しなかった超高齢化社会を迎える。そのため、抜本的な保健活動の改革と年をとっても元気で生きがいのある生活を送れるような活動を推進する必要がある。これらの目的のために、基礎体力の向上、食生活の改善、余暇の過ごし方などの健康指導を中心とした住民運動を推進する調査を企画した。


成人病は生活習慣病ともいわれる程日常生活と密接に結びついていることが明確となり、虚弱老人、寝たきり老人さらに痴呆性老人の多くは適切なライフスタイルによりその多くは予防が可能と思われてきている。我々はそのような予防医学的見地から、4年前より狭山市の老人クラブ会員と保健衛生センターの協力によりライフスタイルの改善による健康の維持増進と生きがいのある生活をめざした健康診断と個人指導による運動を行なってきた。
今年度は5年計画の4年目で以下のような方法により調査を行ない新しい知見をえた。本年度は男性59名、女性66名の参加により以下の項目について調査が行なわれた。調査内容:身長、体重、体温、血圧、運動能力(握力、肺活量、開眼片足立ち、)、ライフスタイル(栄養、嗜好品、運動習慣、睡眠、住居環境、ストレス及びストレス耐性度、日常生活度等の面接法による質問紙調査、尿検査、採血による15項目の臨床生化学検査・貧血検査及び生態防御機能検査(好中球による貪食・活性酸素産生能、ナチュラルキラー細胞活性)を実施した。
過去3年間と同様な比較方法に加え、今年度は家族形態とストレスを含めたライフスタイルとの関係も調べた。その結果ストレス耐性度と活性酸素産生能、NK活性、コルチゾール産生能とNK活性と、適度な運動と非特異免疫や臨床検査値や生きがいと、また同居者と各種ライフスタイルとの関係が認められた。今後、多くの調査結果相互の関係を多変量解析により明らかにし、高齢者の指導にいかしたいと思う。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

深谷悟、町田和彦、高木廣文他、高齢者のライフスタイルと心身の健康に関する調査研究
(2)、日本衛生学会52(1)、P328、1997年4月
石崎香理、町田和彦他、高齢者のライフスタイルと非特異免疫、日本衛生学会52(1)、P32
9、1997年4月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

5年計画で始まった本調査は今年度で第4回になる。今迄に各種面接調査(環境調査、運動・栄養調査、自覚調査、問診など)、10数項目からなる臨床生化学検査と生体防御機能(各種非特異免疫機能)の測定などを行なってきた。1993年度の第1回から昨年の第3回までの調査は主に老人クラブ会員を中心に行なってきたが、今年度はさらに非会員で団地に住んでいるような孤独な老人を100名ほど追加する。これらの対象者に適度な運動、嗜好品を含めた適切な栄養指導、ストレス回避を中心とした健康指導を行い、対象者の健康度の変化を前回までと同様な各種検査を行うことにより把握する。実際の測定は1997年度(第5回)で終了するが、その後長期間(8-10年間)アンケート調査により追跡調査し、個人はもちろん、集団の疾病構造の変化や医療費の変化を調べる。このような膨大なデーターの解析は信頼の於ける統計の専門家の協力が不可欠である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

栗山 孝雄

早稲田大学

佐久間 淳

埼玉県立衛生短期大学

高木 廣文

統計数理研究所