平成31991)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

3−共研−1

専門分類

1

研究課題名

粒子発生過程の統計現象

フリガナ

代表者氏名

ヒヤジマ ミノル

美谷島 実

ローマ字

所属機関

信州大学

所属部局

教養部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

41 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

粒子発生過程の統計現象の研究は,ビックバーン(Big−Bang)の地上での検証に関係している。その状態は,クォーク・グルオン・プラズマ(QGP)と呼ばれている。そのためには,今まで蓄積された宇宙線のデータ,CERN(欧州連合原子核研究機構)及びBNL(ブルックヘブン国立研究所)での高多重度事象のデータからQGPの信号を引き出す研究が重要である。今までの諸研究(例えば,Hanbury−Brown Twiss法,情報エントロピー,モンテカルロ法)を再検討して,他分野で発展された新しい方法(Higuchi法,MEM法(とAIC),Wavelets法,Intermittency,Fractalの概念)を用いて高多重度のデータを検討することが必要な時期と思われる。いろいろな分野の方々の参加を依頼している。このような目的の研究会は,統計数理研究所の研究会にふさわしいと考えて,ここに提案する次第である。


標記研究会を28、29日、文部省統計数理研究所で開催した。当研究会の当初の目的は”高エネルギー素粒子、原子核反応における高多重度現象の統計を如何に取扱かを議論すること”にあった。特に高エネルギー原子核反応では多重度は1、000以上になっている。将来多重度は5、000以上になるのでそのための解析方法等の研究が必要である。講演数は24でした。当研究会の開催にあたって次の諸点に留意した。
(1)統数研の研究課題に関係するトピックスを含む(Higuchi法、AIC、MEM法、変形負二項分布)、(2)他分野の研究の諸成果の学習(フラクタル、ウェイブレット法)、(3)最新の研究成果の講演(間欠性、エントロピー生成、ストレンジ粒子の生成、将来計画)、(4)研究課題の紹介(特に若い参加者のためのプログラム)。(プログラムは別紙に添付)。
研究の成果:1)高多重度の擬ラピディティ分布(η=-lntanθ/2:θ極角)の取扱いについて、FFT、MEM法による解析の講演があった。(高木(東北大)及び鈴木(松商短))。しかし、それらの解析の仕方および解釈が確立したものとは言い難い印象を与えた。2)北川(統数研)、高安(神戸大)、山田(京大)等の講演は、参加した物理の研究者には非常に有効であった。3)並木(早稲田大)によって、量子揺らぎを如何に取り扱うかの問題が提起されて、今後に宿題を残した。4)変形された負二項分布の講演が鈴木と森(埼玉大)によってされた。5)29日に早野龍五(東大理)及び永宮正治(コロンビア大)が講演したので、標記の研究会としては、理論と実験のバランスがとれたものになった。
尚、統数研の研究会の形態としては、もう少し講演数を少なくして、講演時間に余裕をもたせた方が、良かったかも知れないと、反省しています。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

N.Suzuki,M.Biyajima,and G.Wilk,"Stochastic background of negative binomial distribution" Phys.Lett.B 268(1991) 447-452.


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

浅川 正之

東京大学

新居 誠彦

足利工業大学

磯 親

西東京科学大学

梅澤 靖

東邦大学大学院

大沢 昭則

東京大学

尾形 健

東京大学

鍵山 茂徳

鹿児島大学

加藤 泰

名古屋大学

神吉 健

近畿大学

工藤 清

福井大学

河野 宏明

佐賀大学

斉藤 誠次

新技術事業団

渋谷 寛

東邦大学

Xie Qu-Bing

東北大学

鈴木 尚通

松商学園短期大学

住吉 広行

松商学園短期大学

高木 富士夫

東北大学

高安 秀樹

東北大学

伊達 伸

理化学研究所

田中 覚

早稲田大学

千葉 順成

高エネルギー物理学研究所

並木 美喜雄

早稲田大学

延与 秀人

京都大学

早野 龍五

東京大学

日野 幹雄

東京工業大学

藤本 陽一

早稲田大学

増田 直彦

山形大学

松縄 規

統計数理研究所

丸山 政弘

東北大学

水谷 剛

神戸大学大学院

水谷 雅志

早稲田大学

溝口 卓哉

鳥羽商船高等専門学校

宮村 修

広島大学

村岡 光男

千葉大学

室谷 心

早稲田大学大学院

森 健寿

埼玉大学

矢崎 紘一

東京大学

山口 昌哉

龍谷大学

山田 道夫

東京大学

鷲見 義雄

広島大学