平成282016)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

28−共研−4309

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

5

研究課題名

ベイズ手法による豪雨の来襲頻度解析

重点テーマ

リスク科学のフロンティア

フリガナ

代表者氏名

キタノ トシカズ

北野 利一

ローマ字

Kitano Toshikazu

所属機関

名古屋工業大学

所属部局

社会工学専攻

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

133千円

研究参加者数

6 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

 気候変動に伴う自然外力の極端化が発現しつつある現段階において,定常モデルを仮定した従来の極値統計解析ではもはや太刀打ちできず,力学モデルに観測データを取込むデータ同化手法や,直接観測はできないが現象の背後に潜在する因子を考慮した階層型モデルを扱うためには,ベイズ統計の枠組みで極値統計解析法を構築する必要がある.
 極値統計解析の本質は外挿にある.また,ベイズ統計は中心極限定理を用いないところに特徴があり,必ずしも中心傾向を対象にしていない.したがって,ベイズ手法により,外挿の可能性や限界を明らかにできると考えて,幾つかの検討を行なった.
特に,予測分布については,ベイズによるアンサンブル平均で分布関数を求めるのではなく,生起率をアンサンブル平均する方が,解釈し易い結果となることがわかった.今後の検討として,多変量極値に展開したいと考えている.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1) 北野利一・高橋倫也・田中茂信: 気候モデルから得られる多数のアンサンブルデータを用いた確率降水量の推定法,土木学会論文集B1(水工学),第72巻,印刷中,2017.
2) 北野利一:60年x50アンサンブル標本=3,000年分?の降水量データを活用した極値統計解析,統計数理研究所共同研究リポート 384,pp.10-17, 2017.
3) 北野利一:極端海象の極値統計解析,海洋工学シンポジウム講演論文集,CD-ROM,OES-016,4p., 2017.
4) 北野利一,気候モデルから得られる多数のアンサンブル標本を活用した極値統計解析,数理セミナー,統計数理研究所,2016.11.09.
5) 北野利一・川崎将生・山地秀幸: 豪雨による洪水と内水氾濫の同時頻度解析,科研費シンポジウム「空間データと災害の統計モデル」,同志社大学 今出川キャンパス,2017.01.28
6) 北野利一:気候変動による豪雨リスク変化の検出に係る過誤のバランス,企画セッション (10) リスク科学のフロンティア,統計関連学会連合大会,金沢大学,2016.09.06.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会の開催までには至りませんでした.共同研究者のみの研究打ち合わせ(8月2・3日,統計数理研究所,参加者数4名)のみを行なった.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

志村 隆彰

統計数理研究所

高橋 倫也

神戸大学

田中 茂信

京都大学防災研究所