平成212009)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

21−共研−1024

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

2

研究課題名

説明変数の誤差を含むGaussian Process Regressionの研究

フリガナ

代表者氏名

イバ ユキト

伊庭 幸人

ローマ字

Yukito Iba

所属機関

統計数理研究所

所属部局

モデリング研究系

職  名

准教授

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

事前分布にガウス過程を用いたベイズ型の回帰モデルは,曲線・曲面の平滑化から説明変数が高次元の場合の予測や判別までを統一的に扱えるモデルとしてさかんに研究されている.特に,あてはめる関数を離散化せずに扱う手法は,「カーネル回帰」と呼ばれて,統計的機械学習において基本的である.カーネル回帰ではいわゆるRepresenter 定理によってあてはめる関数空間の次元をデータ数程度に減らせるということが重要であるが,説明変数に誤差のある回帰モデル(Measurement Error Model)では,データの「位置」そのものが変数となるので,同様の考え方を導入するためには何らかの工夫が必要である.本研究では,マルコフ連鎖モンテカルロ法をうまく構成することでそれが可能であることを示す.

本年度は年度途中での申請であるが,申請直前にIBIS2009で発表した内容を拡張して,以下の内容について研究を行った.
・説明変数が2つある場合についての数値実験を行い,2次元特有の現象が見られることを見出した.
・ハイパーパラメータ選択の影響について数値的に調べた.またCross Validation(CV)によるハイパーパラメータの選択について予備的な研究を行った.
・ 従来の方法でCVでカーネル幅を調整した場合と比較しても,説明変数の誤差を考慮したほうが結果が改善される場合があることを示した.
また,これまでの結果をまとめて英文誌に投稿し,査読中である.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

赤穂昭太郎,伊庭幸人
「カーネルマルコフ連鎖モンテカルロ法による測定誤差モデル推定」,ポスター講演,赤穂昭太郎(産業技術総合研究所), 伊庭幸人(統計数理研究所),第12回情報論的学習理論ワークショップ(IBIS2009),九州大学 2009年10月 (予稿がウェブにあり)

Yukito Iba and Shotaro Akaho
Gaussian process regression with measurement error
査読中

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

赤穂 昭太郎

産業技術総合研究所