平成11（1999）年度　一般研究２実施報告書

課題番号	11−共研−2031			専門分類		3
研究課題名	脳神経データの非線形時系列解析
フリガナ 代表者氏名	オザキ トオル 尾崎 統			ローマ字		Ozaki Tohru
所属機関	統計数理研究所
所属部局	予測制御研究系
職　　名	教授
所在地
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配分経費	研究費	0千円	旅　費		0千円		研究参加者数	13　人

研究目的と成果（経過）の概要

今年度の研究目的は以下のようなものである。
キューバ神経科学センターの研究者と統計数理研究所を中心とする日本の非線形時系列解析研
究者の協力によって以下のような研究目的のもとに共同研究を行う。
1)てんかん患者の脳波データは決定論的な色合いが強いが、このダイナミックスを表現するた
めにRBF-ARモデル手法、ノンパラメトリックAR手法、ニューラルネット手法などを併用しなが
ら、代表的で普遍性のあるモデルをさがす。
2)脳波、脳磁気波の多チャンネル時系列データから空間的にひろがった脳のダイナミックスを
特徴づけることをめざす。できたら多次元ARモデルを超える標準的時空間モデルを見つけるこ
とをめざす。
3)Hodgkin-Huxleyモデルのような極度に非線形性の強い局所神経モデル、連続時間微分方程
式モデルのデータへのあてはめ法の研究をすすめる。
1)のモデルに関してはいくかの進展があり関連の学会、国際誌等で発表した(情報源の欄参照)。
2)の時空間モデルに関してはイノヴェーションアプローチの空間版とでもいうべきモデルを提
示した(2000年3月、ハバナにおける脳画像国際ワークショップで)。3)の連続時間モデ
ルに関してはあまり目覚ましい進展はなかった。来年度Jimenez博士、Biscay博士らの来日を
待って本格的に取り組む予定。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

*Ozaki,T.,Valdes-Sosa,P.and Ozaki,V."Reconstructing the Nonlinear Dynamics of Epilepsy
Data Using nonlinear Time Series Analysis",J.of Signal Processing,3,153-162.
*Ozaki,T.,Jimenez,J.C.,Biscay,R.and Valdes-Sosa,V.(1999)"Nonlinear Time Series Models
and Neural Dynamical Systems",Research Memo.No.657,Institute of Statistical Mathematics,
in"Nonlinear Dynamics & Brain Functioning",Nova Science Publishers,edited by
N.Pradhan,P.E.Rapp & R.Sreenivasan.
*Valdes-Sosa,P.,Bosch,,Jimenez,J.C.,Trujillo,N.,Biscay,R.,Morales,F.,Hernandez,
J.L.,Ozaki,T.,"The Statistical Identification of Nonlinear Brain Dynamics:A Progress
Report",Research memorandum No.705,Institute of Statistical Mathematics,Tokyo,1999.in
"Nonlinear Dynamics & Brain Functioning",Nova Science Publishers,edited by
N.Pradhan,P.E.Rapp & R.Sreenivasan.
*Valdes,P.,Jimenez,J.C.,Riera,J.,Biscay,R.and Ozaki,T.(1999)"Nonlinear EEG Analysis
based on a neural Mass Model",Biological Cybernetics,81,pp 415-424.
*Jimenez,J.C.,Shoji,J.and Ozaki,T.(1999)"Simulation of stochastic differential equations
through the local linearization method.A comparative study",J.of Statistical Physics,94,
587-602.
*Shi,Z.,Tamura,Y.and Ozaki,T.(1999)"Nonlinear time series modeling by radial basis
function-based state-dependent autoregressive model",International Journal of Systems
Science,30,717-727.
*尾崎　統、施招雲(1999)「指数型ARモデルとカオス」,合原、相沢編「カオス研究の最前線」,
101-111,サイエンス社。
*Kato,Hiroko(1999)「生体システムにおける非線形フィードバック解析」、第67回日本統計
学会,報告集、日本統計学会、pp.373-374.
*加藤比呂子,尾崎統(1999)「プロセスフィードバックを考慮した心拍の時系列モデル」、統計
数理研究所共同研究会「時系列・時空間事象の統計的解析」、研究リポート124,統計数理研究、pp.
65-68.
*Kato,H.,Ozaki,T.(2000)."A Nonlinear Time Series Model Applied to Heartbeat System
Analysis",In:Proceedings of The International Symposium on Frontiers of Time Series Modeling,
Tokyo,統計数理研究所、pp.358-359.
*Z.Shi,Y.Tamura T.Ozaki(1999)"Empirical Evaluation of Non-parametric Autoregressive
Models for Dynamics Reconstruction and Prediction",J.of Signal Processing,Vol.3,1999
*飯野光徳、尾崎統(1999)「ジャンプ拡散過程モデルによる非ガウス時系列のフィルタリングと予測」、
統計数理、Vol 47,、Proceeding of IBIS Conference.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
Andreas Galka	ドイツ連邦共和国キール大学
Valdes Pedro, A.	Centro de Neurociencias de Cuba（キューバ神経科学センター）
加藤 比呂子	ＮＴＴコミュニケーション科学研究所
庄司 功	筑波大学
施 招雲	統計数理研究所
立石 隆子	統計数理研究所
田村 義保	統計数理研究所
Biscay Roland	キューバ神経科学センター
Jimenez J. Carlos	キューバ神経科学センター
Bosch Jorge F.	キューバ神経科学センター
三分一 史和	総合研究大学院大学
Riera Jorge	キューバ神経科学センター