平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−104

専門分類

8

研究課題名

生涯学習プログラム編成とその規定要因に関する研究

フリガナ

代表者氏名

カネフジ フユコ

金藤 ふゆ子

ローマ字

所属機関

常磐大学

所属部局

人間科学部

職  名

講師

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は、学習者にとって有効な学習プログラム編成を検討するために、わが国の生涯学習関連施設で行われる生涯学習プログラム編成の類型化を図り、各類型別に生涯学習プログラム編成に影響を及ぼす要因の解明を目的としている。そのためにここでは1993年に東京都立教育研究所の実施した『生涯学習関連施設のカリキュラム編成に関する調査』や『社会生活基本調査』(指定統計第114号)等で収集されたプログラム編成や学習行動のデータを基に多変量解析等の手法による分析を試みたい。


本研究は、我が国の生涯学習プログラム編成の実態とその規定要因を多変量解析等の統計的手法を活用して解明することを目的としている。本年度は以下のような研究を行った。
(1) 生涯学習プログラム編成を類型化するために、これまでの研究で作成した分析枠組みを修正した。それを用いて、準備活動段階、及び学習活動計画段階の類型化を図り、東京都立教育研究所が平成5年度に実施した調査データを用いて生涯学習プログラムの分類を試みた。さらに、学習施設・機関の種類別に、生涯学習プログラム編成を規定する要因を数量化第II類を用いて分析し、結果の比較検討を行った。
(2) 生涯プログラム編成の各類型の特徴は、さらに関連の認められたいくつかの要因との関係を数量化第III類等の手法を用い分析し、その一端を明らかにした。それによって、計10類型の人的・物的・財政的側面や学習関係面の特徴が明らかとなった。
(3) 成人の学習行動の実態に即した学習プログラム編成方法を検討するための基礎として、これまでに進めてきた「社会生活基本調査」(指定統計第114号)による学習行動の分析を継続して行った。1986年度調査については、コーホート分析を行うためのデータクリーニングが終了した。なお、データ整備の過程で、生涯学習行動調査としての社会生活基本調査の可能性と問題点について検討した。今後、1981年度、及び1976年度調査のデータ整備とそれに基づくコーホート分析を継続して実施する予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・金藤 ふゆ子, 生涯学習プログラム編成の類型とその規定要因−生涯学習施設・機関の種類別比較−, 日本生涯教育学会年報第17号, 91-106 (1996)
・金藤 ふゆ子, 青少年を対象とする生涯学習プログラム編成の特徴, 茨城教育実践学会紀要第1号, (1997)
・金藤 ふゆ子, 生涯学習学の視点からみた「社会生活基本調査」への期待,『ESTRELA』,(財)統計情報研究開発センター, 54-57 (1996)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本研究では、上記の研究目的により、生涯学習プログラム編成の準備活動から学習内容計画段階に着目し、編成作業の違いによって生涯学習プログラム編成の類型化を図り、都立教育研究所で実施した調査データを基に各類型の分類、及び各型の特徴を明らかにする。さらに、1976,1981,1986年に実施された『社会生活基本調査』の約60万人のデータを基に、多変量解析等の手法を用いて属性別に見た学習行動の特徴を分析する。それらのデータの分析により、わが国の学習者の学習行動の特徴に対応する生涯学習プログラム編成のあり方を検討したい。本研究で行う分析は、質的データを含む非計量データの多次元解析の研究に取り組まれる貴研究所の研究者との共同研究を実施することにより、データの特性や構造をより詳細に解明することが可能になると考えられる。さらに、大量データの処理にあたり、貴研究所の高速大型汎用計算機が多大な支援になると思われる。以上のような理由により、上記の研究計画による共同研究を申請致します。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

駒澤 勉

統計数理研究所

中村 隆

統計数理研究所