平成21990)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

2−共研−13

専門分類

1

研究課題名

ベキ逆ガウス型分布の研究と回帰モデルへの応用

フリガナ

代表者氏名

イワセ コウセイ

岩瀬 晃盛

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

統計数理研究所平野勝臣氏との共同研究で得られたベキ逆ガウス型分布に関する統計的性質を調べる。この分布は特別な場合として対数正規分布,逆ガウス型分布を導くものであり,これら分布に共通した尺度に関する分布としての性質の解明の一つの手段になりうるものと期待される。尺度に関するデータの回帰モデルとして正の値しかとらない誤差が乗法的に加わる原点を通る回帰曲線の母数推定をその応用として考察する。


尺度を記述する正値確率分布(逆ガウス型分布,対数正規分布,B−S分布,ガンマ分布など)について考察した。これらいくつかの分布の持つ共通の性質であるカイ2乗分布との関係を保存しつつ,べき変換に関して分布が閉じている“べき逆ガウス型分布”を定義した。この分布は3母数であり,その特別な場合として逆ガウス型分布と対数正規分布とを含んでいる。べき逆ガウス型分布のいくつかの性質と母数の意味を調べ,いくつかの損失関数との関係も調べた。また,原点を通り乗法的に外乱が加わる曲線回帰モデルに於いて,その外乱の分布がべき逆ガウス型である場合についての母数推定について考察した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文発表 岩瀬晃盛,平野勝臣(1990);べき逆ガウス型分布とその応用,応用統計学,Vol.19,No.3,163−176。
学会発表(予定) 岩瀬晃盛,平野勝臣;べき逆ガウス型分布とその応用,日本統計学会第59回大会,1991年7月
以上共に本共同研究の成果である。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ベキ逆ガウス型分布はpopulationの世界では逆ガウス型分布に帰着し,その性質の解明が前提となる。逆ガウス型分布については統計数理研究所平野勝臣氏と共同して研究を進めてきているものであり,本研究も同氏との共同研究が必須の条件である。
1.尺度を記述する分布の一つとしての逆ガウス型分布の母数推定に関する研究を行なう。
2.上記研究での方法を,ベキ逆ガウス型分布に対して適用する。
3.ベキ逆ガウス型分布に従う誤差が乗法的に加わる原点を通る回帰曲線モデルでの母数推定およびその性質を調べる。
4.可能であれば,実測データへの適用を試み,実質科学的有効性を確認する。
尚,電子計算機は研究代表者所属の設備を用いる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

平野 勝臣

統計数理研究所