平成172005)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

17−共研−2025

専門分類

3

研究課題名

状態空間モデルのマーケティングデータへの応用

フリガナ

代表者氏名

ヤマグチ ルイ

山口 類

ローマ字

Yamaguchi Rui

所属機関

九州大学

所属部局

大学院数理学研究院

職  名

COE研究員

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本共同研究の目的は、研究テーマ名にあるように、状態空間モデルのマーケティングデータへの応用
である。特に、個人や、個別の店舗に合わせた、きめ細かい対応が必要とされるマーケティングのため
に有用な情報抽出を主目的としている。このようなマーケティングは、従来型の消費者を一括りにして
単一の対応を図るマスマーケティングに対して、マイクロマーケティングとよばれ、POSデータや、各
個別の店舗の売上や、詳細なセンサスデータなどを用いて、消費者を特徴に応じて小さなグループに分
け、その集団ごとに、細かく対応を変化させる戦略を伴う。
 当研究の元となる研究は平成15年度より開始され、主に飲食店の売上時系列データを用いて研究を
進めてきている。飲食店の売上は曜日、祝日、天気、近所での催し物への人出等の様々な要因に左右さ
れる。故に売上を上述のような要因に分解するモデルを構成し、そのモデルに基づいて将来の売上を精
度良く予測することは、仕入れ、人員配置、新規出店計画等、様々なレベルにおける経営戦略立案上有
益であることは想像に難くない。初期解析として、構成したモデルを実際に、ある大規模催事場及びビ
ジネス街に隣接した飲食店の二年間分の日々売り上げデータに応用した。平成16年度から、共同研究
に採択され、当期はその継続発展として、前年度より行ってきていた非線形回帰モデルとの予測能力と
の詳細な比較を通して新たな知見の抽出を目指し、また、より汎用的な状況でも対応できるようにモデ
ルの改良を目指した。更に、作成したソフトウェアの商品化もしくは公開も目的にあげていた。
 研究の経過を以下に述べる。当期は、上記の目的のために、九州大学に勤務する山口が、配分された
共同研究費を用い、研究所を訪問し、もう一人の研究分担者である樋口教授と議論を重ねることで研究
を進めた。特に、非線形回帰モデルとの詳細な比較を通じモデルの評価および改良を目指した。そして、
それらの成果を、国内外の学会で発表した。しかしながら、もう一つの目的である、ソフトウェア商品
化もしくは公開については、まだ実現していない。今後の課題としたい。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・ 論文
山口類,土屋映子,樋口知之,状態空間モデルを用いた飲食店売上の要因分解,
オペレーションズ・リサーチ,Vol.49,No.5,pp.52-60,2004年
・ 学会発表:(平成17年度分のみを掲載)
2005 Joint Statistical Meeting,ミネアポリス,2005年8月
Performance comparison of state space and RBF-based models for daily
sales of small restaurants,
Yamaguchi,R.,and T.Higuchi
2005年度統計関連学会合同大会、広島、2005年9月
動的・静的モデルによる飲食店日次売上予測の性能比較
山口類、樋口知之
・ ホームページ等
マイクロマーケティングへの統計科学からの接近
http://tswww.ism.ac.jp/higuchi/market/index.htm
山口個人のホームページ内
http://www.math.kyushu-u.ac.jp/~ruiy/theme.html

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

樋口 知之

統計数理研究所